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ITが無いと生きていけないのに、アナログな日々

たった一滴の尿でがんを嗅ぎわける線虫がすごい

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がん検査は、胃や大腸など臓器毎で、金銭的にも体にも負担が大きいです。気になるけど、検査は胃カメラなど苦しいものもあり億劫だ。検査したいけど、全てのがんの検査をしたら膨大な費用がかかってしまう、どこかが痛くなってから検査したらかなり進行していたなど、がん検査に関しては多くの課題がつきまといます。

そんな検査が尿一滴で、それも初期のがんも発見できる。そんな時代がもうすぐやってくるかもしれません。

mugendai317.JPG九州大学 大学院 理学研究院 助教の廣津崇亮氏は、線虫と呼ばれる微生物が持つ優れた嗅覚を利用し、がんの匂いを嗅ぎ分ける研究をされています。C・エレガンスとなんとも優雅な名前を付けられた線虫は、1ミリほどの生き物ながら、犬の1.5倍の1200もの嗅覚受容体(匂いを受け取る分子)を持っており、かつ人間の尿の中のがんの匂いに寄ってくるという。実験では、「242個(がん患者:24、健常者:218)の検体を、調べたそうですが、何度やってもはっきり嗅ぎ分けたそうです。その確率は95.8%だったとのこと。

尿一滴ならば、検査を受ける人の体の負担も少ないし、線虫を使うことで費用も大幅に削減することができます。企業や自治体の通常の検診の中に取り入れることができれば、がんの早期発見、治療が進むと思います。

詳細は、ぜひこちらの記事「尿1滴で、線虫が早期がんを嗅ぎ分ける! ――95.8%という驚きの高感度」をご覧ください。


私は、おばあちゃん子で、大好きな祖母を膵臓癌で亡くしました。病名が分かってから亡くなるまで1ヶ月でした。膵臓癌は、早期発見が難しく、分かった時にはかなり進行しているケースが多いそうです。今回の線虫の研究では、初期のがんも発見できるとのことです。それも尿検査だけで。早期にがんだと分かり、その後に精密検査を受け、治療となれば、もっと多くの人が助かると思います。

弊社がスポンサーをしているサイトMugendaiの取材で私も編集委員の一人として福岡市の九州大学 廣津先生の研究室に伺わせていただきました。奇しくも亡くなった祖母は、福岡市の出身。彼女が若い頃、この辺りも歩いたのかなあと、ちょっとしんみりしてしまいました。

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