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ITが無いと生きていけないのに、アナログな日々

奢れる者も久しからずな『バイラルループ』

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アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)さんから見本誌をいただいていただんですが、アメリカに行っていたので、受け取るのも読むのも随分遅くなりました。

バイラル・ループとは、インターネットを通じてウィルスのように爆発的な広がりをみせることで、こちらで取り上げられているのは、今をときめく、そしてかつてときめいていた数々のネット企業です。

最初の事例がタッパーウェアーだったのが面白かったですが、やはりネット以前からソーシャルなコミュティーは威力があったのですね。

Netscape、HoTMaiLなど懐かしさに涙ちょちょぎれるものから、今をときめくFacebookまで、数多くのバイラルループを巻き起こした企業の事例が綴られています。

ベンチャーから始めて大きくなったら、大企業に売って儲けるというのがメイン・ストリーム。意外とあっさり売ってしまうので、それほど愛着なんてないんですかね。まあ、そうした人たちは、売却した元手で新たなアイデアを実現するために、またがんばるんでしょうね。

面白いのは、それぞれがパラサイトして巨大になっているところ。イーベイにパラサイトしたペイパル、マイスペースにパラサイトしたYoutubeなどなど、バイラルループが次なるバイラルループを生んでいきます。

売却されないように、はたまたより高額な値段で売却されるように、大企業とベンチャーのかけひきが、時には、ベンチャーの創業メンバー同士のぶつかりあいがこの本の読みどころ。妬み、嫉妬とそれぞれのエピソードが、あまりに人間的で一本の映画になりそうです。結局のところドロドロとした人間関係が面白かったりします。それは、なんと一番最初のタッパーウェアーの頃からなんら変わっていないのが興味深い点でありました。

奢れる者も久しからず。なんとも『平家物語』的な興亡があり、我が世の春を謳歌しているあの企業やこの企業のこれからがとても気になりますね。

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