景気指標の発表が遅過ぎる
筆者は日頃において、現在の景気状態を把握したり、将来の景気の動向を予測したりする目的で、各種景気指標をずっと定点観測し続けています。
その中で、以前よりずっと気になっていたことがありますので、今日の拙稿で書いてみたいと思います。
気になっていたこととは、次々と順番に発表される各種景気指標の多くにおいて、発表されるタイミングが遅過ぎる、ということです。
ただでさえ、世の中の動きが早くなる一方の中、出来る限りこうした指標を早く見たいという気持ちは焦る一方ですが、相変わらず物足りないくらい遅い、という訳です。
例えば参考までに、国内外を問わず最も有名な指標であると言っても言い過ぎではないGDP(国内総生産)の四半期データの場合について触れると、約1ヵ月半後に速報値が発表されるのです。
諸外国と比べることがわかりやすいと思います。
中国が最も早く2週間後、米国やEU(欧州連合)、韓国は約1ヵ月後といった具合です。
逆に日本より速報値の発表が遅い国はインドくらいしかなく2ヵ月後です。
発表が遅いのには、何かしらの事情、例えばデータの収集に手間がかかる、などがあるはずです。
ところが、諸外国では日本より早くGDPを発表しているので、言い訳はしにくいところです。
筆者にとっては、GDP以外にも最重要指標は多く存在していて、例えば鉱工業指数の発表までの速度にも不満の残るところです。なぜなら現在の最新版が第一四半期(1〜3月分)ですが、すでに第二四半期が終了して3週間以上が経過しているのに、なぜまだ発表できないのか?と言った具合です。
(参考までに通常は翌月末に速報値が出て、約1ヵ月半後に確定値が出ます)
いずれにしても、世の中の動きが早くなってきているだけではなく、時代の要請としてデータの分析に対する必要性は高まる一方です。
だからこそ、データの収集方法をITの活用によって効率的かつ正確性の向上につながるように改善していくことが望まれるのです。