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バーニー現象(米予備選)

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bernie.jpg次期米大統領を決める候補争いである予備選で、民主党の主役だと言われてきたヒラリー・クリントン前国務長官と最後まで指名獲得を争ってきたのは、バーニー・サンダース上院議員でした。

民主社会主義を唱える同氏は74歳という脂の乗り切った年齢でありながら、特に若い世代から圧倒的な支持を集めていたのです。

若い世代とは特に、80〜90年代に生誕したいわゆるミレニアム世代を指しています。
この年代は、かつての米国の豊かさとは無縁で、例えば学生の約7割が平均4万ドルのローンを抱えているというくらい、高い学費を払うために借金生活を強いられ、連動して結婚や住宅購入まで遅れていく、という負の連鎖が続いているのです。

ちなみに、米国の男性の初婚年齢は05年の27.1歳から15年の29.2歳まで跳ね上がっていることは彼らの現状を表しています。

バーニーにとって、ミレニアム世代から支持された、「すべての米国人が普通に働き、普通の暮らしができる社会」を実現するというメッセージが非常に効果的だったという訳です。

米国でいま問題なのは、中間層の厚みが急速に失われていることです。
世界で一番豊かな国である米国でさえ、貧富の差がかつて例がないほど高まってきたのです。

米政治家も大変です。
分厚い中間層を形成してきた中高年世代だけをターゲットにした政治活動が効果を失いつつあるからです。なぜなら、同国の労働力人口が15年にはミレニアム世代(18〜34歳)がジェネレーションX(35〜50歳)を追い抜いて最大の勢力になったからです。

いずれにしても、今までも、さらにこれからも世界の経済を力強く牽引してもらわないと困る米国において、若者が普通の暮らしをすることができない、言い換えれば中間層に加わり形成することができない現状は、米国だけではなく世界にとっても暗い影となっていくのです。

〜日経新聞16.7.14付け朝刊を元に独自の文章を加えて再編集しました〜



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