コンサルティング輸出が少ない
コンサルティングと聞けば、我が国ではどうしてもイメージ的に良くない印象を持っている人たちが多く存在しているように思います。
調査結果を見た訳ではなく、あくまで筆者の肌感覚ではありますが。
実際、価格設定の根拠が不明瞭、金額が大きい、成果物に乏しい、好結果につながるか不安、などが印象でしょうか。
時折、世の中を騒がす、お金の授受に関する事件で頻繁に登場するグレーな取引の名目がコンサル料であったりすることもイメージを悪くしているのでしょうか。
経済産業省が案をまとめた16年版の通商白書にて、日本がサービス分野の輸出で欧米諸国に比べて出遅れている点に危機感が示されているようです。(日経新聞16.5.18朝刊より)
中でも特に輸出の出遅れが目立っているのが、「コンサルティング」だと言うのです。
他にも研究開発や金融サービスの輸出も芳しくありません。
先進国に比べて遅れているコンサルティング(研究開発なども含む)等の専門業務サービスの伸びですが、日本が当該サービスの輸出がGDP比で0.8%であるのに対して、英国では3.1%、インドで2.3%、韓国で1.5%となっているのです。
我が国のこれだけの劣勢を説明するのは簡単ではないと思います。
筆者なりに理由を考えてみたのですが、
意外と大きいのが"言語の問題"かもしれません。
英語圏ではないハンディを感じない訳にはいかないのですが、韓国も同様の問題を抱えているのに比率で上を行っているのは、説明がつきません。
逆に言えば、言語の問題を解決できれば、コンサルティングを海外に輸出することには大いなるビジネスチャンスがあるのではないでしょうか。
実際に、製造業では高い評価を受けている日本勢ですので、外からの評価は低くないはずです。問題はコンサルティング輸出のノウハウの有無かもしれません。
ノウハウ取得のために有効なのが、外資のコンサルティングオフィスとの提携や買収です。
1つの参考事例は、タタ・コンサルタンシー・サービシズジャパンと三菱商事(アイ・ティ・フロンティア)の合併かもしれません。