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技術で勝って、商売で負けていませんか?

越境ECの行方は?

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chinese02.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像中国の「越境EC」
ECマーケットプレイスを通じた国をまたがるEC(電子商取引)のことを言います。

拙稿でも以前書いたことがありますが、中国人の爆買いに陰りが見えてきた中、本土にいながらにして日本製の高品質な商品をネットを通じて購入することに対して、需要が伸びてきました。

実際に、2016年には1兆2千億元(約20兆円)にまで成長するという予想まであり、とても景気のいい話になっています。

ところが、先行きは中国政府の規制いかんによって、どうにでもなってしまう、という懸念も同時に存在していて将来を見渡せないのです。

日経新聞のアジアVIEW(2016.5.12付)によれば、
「中国では、従来、海外にいる個人が中国へ荷物を郵送する際『行郵税』が適用されていた。税率は一般貿易より低く税額50元未満なら免税だったが、個人貨物も一般貿易と同じ関税率を適用するように改めた。」

「狙いは海外で買い付けた大量の商品を個人貨物として中国に送り込み、ネット通販サイトで売る『代購(代理購入)』と呼ばれる個人事業者の閉め出しだ。」

「代購は日本の化粧品人気などによって規模が膨らみ、一般事業者との間の不公平が無視できない問題に浮上。当局は代購を黙認してきた姿勢を転換した。」

確かに、中国人から見て日本製の商品がそこまで魅力が高くて人気があることは、非常に有り難いことであるのは否定できません。

一方で、中国政府は常に国民の消費行動や商売情勢を監視している気がします。
すると、極端な方向に国民の消費性向がぶれると、最初は様子を見ていても、国力の浮上を常に考えている彼らトップ層にとっては、いつかは介入という形で横ヤリを入れてくることはほぼ間違いなく、それがそのままリスクとなって事業者を困らせる、ということの繰り返しなのだと考えています。


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