クックパッドの行方は?
クックパッド創業者であり現取締役である佐野陽光氏が、現経営陣8人全員の退陣を要求して揺さぶりをかけている問題が報じられています。
昨年11月から、両陣営は経営方針について話し合いの場を設けてきましたが、合意に至らなかったのです。
そこで佐野氏ら4人の株主は、株主提案に打って出たのです。
特に議決権の約44%を握っている佐野氏の発言力は強く、3月下旬に予定されている定時株主総会にクックパッドの行方は委ねられるという流れです。
争点は、同社の経営方針に対する両陣営の意見の対立です。
佐野氏側が主張しているのは、近年のクックパッドが祖業である料理分野からかけ離れた事業方面への多角化を進め過ぎているので、本来の料理分野に戻り専念すべきだ、という意見の内容です。
ここからはあくまで筆者の意見ですが、同社の規模や強豪他社の動向を勘案すると、確かに創業者である佐野氏が指摘する祖業への回帰案には、賛成できます。
なぜなら、大企業ではないクックパッドが今後も強みを発揮して生き残っていくためには、大企業との競争を避けないといけないからです。
そのためには、強みである料理事業にもっとさらなる磨きをかけるべきで、事業の多角化に急いで走るべきではないからです。
中小企業が生き残っていくためには、常に市場やライバル社、特に大企業による参入を回避させ、企業体力の消耗の激しい価格競争を避けながら、事業を発展させていく、という手法を考えないといけないからです。
以前のブログでも言及しましたが、クックパッドは創業後、苦労の連続でなかなかビジネスモデルが花を開かなかった事業体です。それでも筆者は、メディア事業の企画や立ち上げ時には早くから同社には注目してきた端くれです。
そういう意味でも、クックパッドには出来るだけ早く内紛から立ち直り、事業の成長発展のためだけに集中して欲しいと願っているのです。