【書評】競争しない競争戦略
【競争しない競争戦略】
山田英夫著
日本経済新聞出版社
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筆者の近年の事業内容の傾向として、お客さま企業に参入すべき新規ビジネスモデルをご提案する機会が増えてきたことが挙げられます。
時代背景として、国内における少子高齢化による市場の縮小や、方や新たなビジネスチャンスを求めての海外市場への参入においても、中国を代表とした新興国の成長減速や中東などにおける地政学的なリスクの高まりなど、先を見据えても未確定要素が非常に多くなってきていることが挙げられます。
どうしても同一市場の限られたパイを獲得するために競合他社と争うことになると、必ずと言っていいほど価格競争に自然と巻き込まれていってしまいます。
もうこうなってしまうと疲弊していくだけの姿が容易に想像できてしまうのですが、何とかならないのでしょうか?
深刻なビジネス環境から抜け出すべく、著者の山田教授が同書の中で示してくれているのが、ライバル社たちが存在する中でも無謀な競争に巻き込まれていくことなく、自社が永続するための処方です。
興味のある方は同書を一読されることをお勧めしますが、提唱されている3つのポイントを以下に書いてみました。
業界のリーダー企業でない大多数の企業が、利益率を高めるための方法論です。
「ニッチ戦略」「不協和戦略」「協調戦略」
どれも事例を豊富に交えて具体的な説明がなされていて、参考になります。
企業のマーケティング部門や新規事業企画室に属する人たち、さらには起業家を目指す人たちにまで学ぶことの多い一冊だと思います