看護師のスキル把握が始まる
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ビッグデータの分析・活用の動きが広がる中で、これまで専門職と言われてきた職業にも客観的に力量という意味での質を把握する方向に向かって行くのは必然の流れかもしれません。
大学教授の講義を中心とした学生による評価、上司に対する部下からの評価、医療の分野での医師の患者から見た評価などがそうです。
そんな中、最後の同じ医療の分野で働く看護師の質を客観的に把握する仕組みも始まりました。
これまで看護師のスキルを図る仕組みは存在せず、約160万人という医師の5倍以上も存在している割には実態把握する術が無かった中での新しい取り組みです。
具体的に始まるのは、日本看護協会のデータベースである「ディンクル」(DiNQL)です。
患者の転倒や院内感染の発生率から看護師の勤務時間や人員配置に至るまで、全国521病院の3989病棟で136項目から集約しているのです。
各病院は項目ごとにおける全国でのレベルを分布図やレーダーチャート等のビジュアル的なグラフで知ることができるという訳です。ちなみに個別の病院名は表示されません。
これまでも、各県単位の看護協会が主体となって、所属する県内の看護師を対象にした研修会などを通じて教育が実施されてきました。
今後はDiNQLによる分析をベースにして、各病院毎に看護師の実力を把握して、足りないスキルを補うというような、より精緻な教育計画を立てることができ、将来に向かって日本の看護師のレベルが他国と比べても相対的に向上していく、という成果が期待できるのではないかと筆者は考えています。
(写真はイメージです)
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