製造業でのビッグデータ活用は進むのか?
ITの分野でいま最もホットで次世代においても主流になるのが、IoTともう1つビッグデータ活用ではないでしょうか?
このビッグデータ活用を経営手法に取り入れる企業は増えつつありますが、筆者が以前に拙ブログでも書いたのが、自動車メーカーにおけるIT活用の抵抗、遅れという内容でした。
特にIoTの活用に抵抗があるのが同業界でした。理由は虎の子の機密事項が外部に漏洩してしまうというリスクの方を、メリットよりも大きく捉えているからです。
同様のことが他の分野の製造業でも、おおむね当てはまっていて、まだまだ導入に二の足を踏む企業が多いのです。
そんな中、ビッグデータ分析の手法を生産現場に導入するという取り組みを始めた企業が出てきましたので、ご紹介したいと思います。日本ガイシの事例です。
日経新聞に紹介された記事によれば、温度や溶液の濃度など生産ライン途中のデータを従来の50倍以上多く収集し分析するそうです。失敗の原因を突き止めて改善するのです。
従来は1日あたり200〜300個のデータ情報を分析するのが限界でしたが、ビッグデータ分析の導入後は1日あたり1万〜1万5千個を分析するといいます。
以前から金属事業部は生産ライン途中のデータ収集に積極的で、ベリリウム銅なら2000年ごろからの15年で歩留まりを約1割改善しています。
ただ、手書きのチェックシートに頼るデータ収集では肝心の分析が追いつかないケースも多く、近年は改善できる数値が頭打ちになっていたそうです。
日本ガイシは13年末からビッグデータ分析を導入する準備を始め、事業部内で目処をつけたといいます。
以上の事例のように、これまでビッグデータ活用に消去的だった製造業を営む企業でも、今後は品質向上や生産コスト削減などといった理由で、活用が少しづつ広がってくることを予想します。
むしろ大企業より中小企業の方が導入に前向きなのかもしれない、という推察を筆者はしています。