パナソニックの業績から解る事
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社業の立て直しが急ピッチで進むパナソニックの15年上半期(4〜9月期)の業績を見て、筆者なりに思う事がありましたので書きたいと思います。
連結営業利益は、前年同期比で1割増加して約2000億円になったようで何よりです。
牽引した事業領域がまずは家電分野で、特に国内での高価格帯の商品展開がうまくはまって貢献したのです。
ここから解る事は、他の電機メーカーが苦戦しているように、国内での家電販売には限界があって撤退した企業が多い中、マーケティング面の巧拙がその後を分けたと言えそうです。
さらにもう一方の業績への貢献分野が、自動車分野です。こちらは車載用リチウムイオン電池やカーナビゲーションシステム等を国内外の自動車メーカーに販売したことが貢献したのです。
ところがここで考えるべきは、リチウム電池やカーナビの拡販はすでに同社にとって我々が想定できるパナソニックが展開しような予想内の内容であり、もっと他の自動車領域にも進出が進んでいると見ていた識者にとっては少々期待はずれだったという事です。
そして産業機器部門も牽引しましたが、大型蓄電システムやデバイス分野がうまくいきました。
憂慮すべきは、同社が力を入れてきた住宅関連部門です。スマートハウスなどに経営リソースを注入してきたはずですが、太陽光発電システムなどが振るわず、同部門は苦戦を余儀なくされました。
以上のような事から、連結営業増益だったとはいえパナソニックほどの力量のある企業でも、新しい事業への展開には時間を要し、なかなか思うような業績につなげることが難しい事が解るのです。
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