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地方創生はうまくいっているか?

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country.jpg日本国政府は、2014年12月に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」を閣議決定して、地域の活性化を目的とする地方創生の基本方針を打ち立てました。

地方創生でたまに聞かれる言葉が、昔からすでに観光資源などの存在でブランド力がある地方都市は一部であり、そうではない地方都市が国内には数多く有って、大半を占めている、という嘆き節です。

筆者が単純に考えても、確かにそう思います。
傑出したヒトを呼び込むための資源が何もなく、普通の田舎である所が、どうしたら人口減少に歯止めをかけて活性化を図ることができるのか?という目の前の課題です。

これに対して、中村良平(岡山大学)教授は次のように意見を述べています。
「まちの経済構造をみる時、産業を2つに分けることができます。1つ目は、派生産業あるいは非基盤産業といって、サービス業を中心としてヒトや企業の存在があって成り立つ産業があります。」

「2つ目は、人口集積や企業集積とはあまり関係なく立地できる業種である。この場合の需要者の多くは地域の外にいる。自然の条件があって成り立つ産業で域内市場から派生するものではないことから基盤産業あるいは移出産業ともいわれる。」

「重要なのは、域内市場産業だけでは地域経済は成り立たないことだ。域外からお金を稼いでくる産業がないと、やがて地域は衰退してしまう。人口が減少している多くの地域は、域外市場産業である基盤産業が衰退していることが多い。」

以上のような同氏の意見を参考にすると、その地方の活性化のためには"やはり知恵を絞って地域特有の自然資源を活かした、外からお金を呼び込むことのできる基盤産業を育てることが1にも2にも重要なことがわかります。

上記の2つの産業の間には、
「基盤産業の規模が非基盤産業を規定するという因果関係があることが、理論的にも実証的にも知られている。この割合のことを基盤・非基盤比率と呼ぶ。この値が大きいほど基盤産業からの雇用の波及効果が大きい。」

というような指摘を中村氏はしています。
基盤産業の衰退以降、その地方都市は寂れて行った、というのはよく聞かれる言葉です。

今現在の基盤産業を分析して問題点を見極めて、しかるべき改善を行う、必要であれば次世代の基盤産業の育成をじっくり行って準備を進める、といった取り組みが一番有効であるのだと考えます。

そのために必要なビッグデータも提供されるようになりました。筆者も以前に当該拙ブログの主題でも取り上げた「RESAS」(地域経済分析システム)のことで、このシステムの活用も有効です。



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