厚労省が始める人材バンクについて
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厚生労働省が始める人材バンクは、離職した看護師や介護福祉士の努力義務によって届け出をさせ、将来に復職しやすいよう後押しする仕組みです。
実際には、看護師は早くもこの10月から、介護福祉士は2017年度から離職時に氏名や連絡先などを登録できるようにします。
登録した人へのメリットとして、研修会の案内や求人情報を受け取ることができることが決まっています。
この取り組みを知ったときは、なかなかいい仕組みだと思いました。
背景には、将来の看護や介護人材の不足予想があります。
始めてみないと、どれくらいの人が登録して本当に復職へとつながっていくのかが見渡せない部分がありますが、それよりも筆者が懸念したのは看護師等を医療機関に紹介する事業者への影響です。
こういった事業者はWebサイトで求職している看護師等に登録をしてもらい、希望に叶った医療機関の求人情報とマッチングさせる仕組みで、生計を立てています。
民間事業者への登録から、上記の人材バンクへの登録に人材が流れていってしまわないか、という心配を持っているのです。
最近、特に安倍政権になってから、いろいろな業界に政府が介入して民間企業にイノベーションを起こすよう促すようなさまざまな取り組みが導入されています。
この動き自体は、経済の活性化につながるものであれば、基本的には賛成のスタンスを筆者は取っています。
ところが、今回のように民間の既存業種のビジネスモデルの存続を脅かすような介入は、慎むべきだと思うのです。
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