リクルートは"受験サプリ"でGoogle型を目指すのか
報道発表された内容によると、リクルートHD子会社のリクルートマーケティングパートナーズは、運営する"受験サプリ"を使って、大学受験生向けにオンライン上で学習支援をするサービスを今年の秋にも始める予定です。
内容としては、東京大学で人工知能を研究する松尾豊准教授と連携して、蓄積してきた140万人もの学習履歴というビッグデータを解析して、その中から成績が優れた生徒の学習方法を活用して受講生に助言していく、というものです。
ちなみにリクルートグループが運営する受験サプリは、高校生の大学受験を手助けするオンライン予備校であり、過去問を無料で公開するなど、月額980円で有名講師の講義動画2000本が閲覧し放題といったサービスと合わせて、価格面でストロングポイントを持っているサービスです。
私、大塚も受験サプリには以前より注目していて、やはり伸びてきた印象を持っています。そしてここにきての学習支援という領域で勝負に出てきました。
ちなみに新サービスは、既存の料金の範囲内で利用できることまで打ち出していて、月額の範囲内で早くもてんこ盛り状態を目指すという点で、Google型、つまり実質無料に近いようなサービス体系で利用者を次々に獲得していく作戦を取っているのです。
早くもここまででも成果は出ており、実際に大学の全受験者の半数にも相当する約30万人の会員数(14年度)を集めているのです。さらに日経新聞によれば「受験サプリは大学受験生だけではなく、高校で授業を理解するための補習教材としても使われ始めている」らしいのです。
もちろんライバルも強力です。
Z会を運営する増進会出版社やベネッセHD、さらにいつの間にか急成長してきて代々木ゼミナールを追い抜いて東大合格者ランキング3位にまで躍り出た"東進"を運営するナガセなどが対抗策を打たないはずはありません。
このナガセですが、同社の永瀬社長は「ITを使った教育には可能性を感じているものの、それだけでは駄目で人間的ともいえるアナログな要素がミックスして初めて成果が出る」と説いています。
現行のセンター試験制度が終了し、次の新しい大学受験制度が始まる近い将来を見据えて、早くも大手教育関連企業を中心として激しいせめぎ合い、主導権の奪い合いが始まっているのです。