Viber(バイバー)のキプロスという国について
楽天が昨年に、約9億ドルで買収した通話アプリを提供するViber(バイバー)の本社がキプロスにある、と聞いてピンとこなかった人も多いのではないでしょうか?
キプロスは、トルコの南の地中海に浮かぶ島国で、人口は約87万人強で、面積も日本で言えば山形県より少しだけ小さい、とイメージすればわかりやすいでしょうか。
これらから想像できるのは小国であるということであり、宗教はもちろん、住民の主たる産業についても気になるところです。
公用語はギリシャ語で、2004年にEUに加盟し2008年にユーロを導入しています。
むしろ同国の名前が世界に知れ渡ったのは、2013年の金融危機の時だったのかもしれません。ギリシャの危機の余波を受けてのものでしたが、EUに金融支援を求めたのでした。当時の支援額は100億ユーロで、ギリシャやスペインへの融資に比べてれば小規模でしたが、欧州のあらたな火種になりかねないと、警戒感が強まりました。
さらにユーロ圏諸国が、この融資との交換条件に銀行預金への課税を打ち出したことから生じた混乱も、迷走に拍車をかけたのでした。
少し脱線しましたが、いずれにしてもキプロスのように、国の規模に関係なく世界中どこからでもアイデアと少しの勇気があれば起業が可能になったことは、いいことだと思います。
Viberを提供しているバイバー・メディアはイスラエルの企業であるとか、実際の開発はベラルーシであったりしますが、今回の楽天の買収劇を通じてキプロスに対して親近感が湧いてきたことだけは確かかもしれません。
そして同社が、遠く離れた、それも馴染みのない小国の一企業のアプリに可能性を見出して、実際に身内に引き込んでしまうことができるようになった今の時代にも、驚きを隠せません。