日本産というブランド
週末にマイカーで通りがかったモスバーガーの店舗の前に、ある印象的なキャッチを冠した"のぼり"が立てられていました。
「日本で生まれ、日本で育った味」
これを見て思わず筆者は唸りました。
マクドナルドが苦戦している中、いいタイミングでうまく攻めてるなあ。
モスバーガーはマクドナルドを初めとした他の欧米系から輸入されたハンバーガーチャーンではなく、当初より首尾一貫した姿勢である手作り感のある和風テイストで通してきました。
当然のように、これまでずっと通してきたコンセプトが、今の時代にマッチするようになってきました。
同店の事例に限らず、日本産というコンセプトに多くの人々が共感を覚えるようになってきました。
それは食べ物だけとは限りません。
例えば、衣料品もそうです。国内の職人による仕立てが"丁寧でしっかりした品質"という高い評価を再び受けるようになり、国内外より日本製ということ自体がブランドに直結するようになってきたのです。
衣料品の分野で、40年以上も前より安い中国製等の外国製品に追いやられた、熟練国内職人に脚光が当たるのは、何と久しぶりなことでしょうか。
それくらい、年月の経過ぶりは尋常ではなく、すでに高齢からくる理由や仕事の無さから職人の道の引退を余儀なくされた人たちは数知れずのはずです。
彼らの熟練の技の継承も急務で、身体が元気なうちに次世代の人材が引き継いでいきたいものです。
いずれにしても、国内で作られるあらゆるモノに脚光が当たる時代が再びくることには、感慨深い人たちも多いはずです。
ここで考えないといけないのは、せっかく久しぶりの追い風を迎えているこのような状況において、いかに収益に結びつけていくか、です。
これには官民挙げての総力戦で挑んでいきたいところです。
知恵が一番求められる部分だからです。
例えば農業の分野では、TPPの締結も見据えて多くの知識人たちが次々と書籍を発行しています。それらのすべてを筆者も読破した訳ではありませんが、まだ明確な解は出てきていないように思います。
すべてが手探り状態で進めるしかない、という状況ですが、確かに難しい挑戦ではありますがやりがいも多くあるのです。