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技術で勝って、商売で負けていませんか?

就職人気企業の変遷

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recruit.jpg2016年春に卒業見込みの大学生に対する、就職人気企業のランキングが発表されていましたのでご紹介したいと思います。(ダイヤモンド・ヒューマンリソース)

それによると、過去にはないくらい大きな変動が発生していました。

男子学生の圧倒的な「商社」人気です。

確かに昔から文系男子には商社は根強い人気があったことは知っていましたが、今回驚かされたのは理系男子の上位でさえ、「商社」が独占したことです。

  1. 三菱商事
  2. 三井物産
  3. 住友商事
  4. 伊藤忠商事
  5. 東芝

これらを一見すると、文系男子のランキングを見ているような錯覚を起こしてしまいます。違います、理系男子の人気ランキングです。

かろうじて、5位に東芝がランクインしていて、理系らしいメーカー人気がようやく見られます。

この中でも昨年もベスト5に入っていたのは、三菱商事(3位)だけで、他の商社は6位以下から上昇してきました。

これを見て感じたのは、商社人気の背景にある、ある程度必要な権限を与えられて世界のビジネス現場で早くからやりがいのある仕事をさせてもらえそう、というイメージに惹かれているのでは、ということです。

ただこれだけ大手商社の人気が高まると、基本的には面接を突破して内定を勝ち取るのに難関であるのに、さらに難易度が増してしまい、もっと高嶺の花になりそうです。

理系男子、文系男子の両者に言えることは、三井物産の人気です。(理系男子は昨年12位→今年2位に急浮上、文系男子は昨年10位→今年1位に急浮上)

確かに三井物産のウリは"ヒト"です。
この辺りが、他の商社とは違うエリート臭のしない、ヒトを大切にする点が好印象を与えたのかもしれません。

ちなみに、理系女子はやはり予想どおり、内需が中心の国内製菓・飲料メーカーが上位を独占しています。

女子学生にはそんなにサプライズは感じませんでしたが、男子学生には驚かされました。

理系男子による商社人気は言い換えれば、国内メーカーの人気が凋落傾向にある、ということです。

特に電機メーカーにいえるのですが、グローバル競争の中での苦戦が学生の目にも厳しい姿として写っているのだと思います。

今回ほど、今を表す傾向が就職人気企業に対してわかりやすく突きつけられたことは、過去にないくらいのことでした。

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