すわARINがITUに。。その背景
夜中に気づいたアナウンス。ARIN(American Registry for Internet Numbers)から。
ほう、ということで、なんとなくtweet。
そうすると、僕が思っていた以上の、驚き含みの反応が、followerの皆様から。雰囲気を察するに、「ARINがITU陣営入りかっ」。
これ、そこまでのことではないんです。ちゃんとお伝えしていればよかったところ、すみません。ここでちょっと説明。
ITUは、国際電気通信連合。電気通信のデジュール標準を作る国際組織で、最近は途上国の情報通信振興活動もやっています。国連の下部組織で、基本的にメンバーは主権国家なのですが、セクターメンバーという形で、通信に関係する企業や団体がメンバーになることができます。セクターメンバーの一覧はこちらに。ARINのようなRIR(地域インターネットレジストリ:世界を5地域に分けてIPアドレスを分配管理)は、APNIC, RIPE NCC, AfriNICも既にセクターメンバーです。
去年くらいから「ITUがIPv6管理に乗り出そうとしている?」という話がRIR業界で立ち上っていました。もともとは、2005年、ITUがWSIS(世界情報社会サミット)のチュニスフェーズをやっているころにも、時のITU-T局長が大いに主張していたのですが、ひところ下火になったと思っていたこの話が、最近再燃した、という次第なのです。
この辺の話、少し前にJPNICのメールマガジン、News & Viewsにまとめて書きました。
◆ JPNIC News & Views vol.746【臨時号】2010.5.13 ◆
恐縮ながら内容はこちらをご参照下さい。
セクターメンバーになっても会議体での議決権は付与されませんが、RIRsがITUのセクターメンバーになる理由は、会員国を中心とするITUコミュニティに、IPアドレス管理の観点の情報提供を行うことと、逆に、ITU主催の会合に出席したり、ドキュメントへのアクセスを得る(ITUのドキュメントの多くはメンバー向けで、TIESアカウントというアカウントがないとWebからも入手できません。)ことです。
そういうわけでITU陣営入りするとか、ぁゃιぃ動きとか、そういうことではありません。
この「ITUによるIPv6アドレスの管理」なる話題を議論しているIPv6 Groupは、技術専門家にも開かれた会議です。一部の声の大きい国を除いて、このアイディアを支持するところはありません。
ただ、開かれた会議というだけに、意思決定のための正式な会議体ではありません。ITUとしての組織決定は別の会議体で進むということは、そこでの議論はまた別の雰囲気で進んでいくということで、予断を許しません。そういうわけで、ここ最近注視しているところです。