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インターネットとそのガバナンスについてつらつらと

電子的な区役所

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この話は、2ヶ月くらい前税務署から一通の手紙が届いたところから始まった。(なんだか大げさ)

それは、確定申告のeTaxの勧め、的な手紙だった。曰く、eTaxだと5000円の割引もあるし、紙のエビデンス出さなくてもいいんだよ(保存しないといけないけど)、云々、と。

もう10年くらい、雑収入だったり、2カ所目の給与だったりをもらっていて、毎年確定申告をしている。去年eTaxで所得税の優遇があると聞いたとき、これを機にと思って申し込もうとしたが、僕が住んでいる杉並区は住基ネットに加入しておらず、証明書の入手ができなかった(遠回りだっただけかも)。住基ネットには、批判がいくつかあるようだけど、個人的には、住所・氏名・生年月日・性別が芋づるになっている、というだけのものになぜ目くじらを立てるのか、といった感じを持っていた。そう言えば、後でパスポート更新に行ったとき、面倒くささもあった。

そう言うわけで、そんな住基ネット非加入の杉並区民であることを、荻窪税務署が知らぬ訳がない、というか、管轄している地域が杉並区に閉じているのに、何を今更e-Taxなど、と思ったのだが、やっぱり何か変。そんな矢先に妻曰く、この1月から杉並区も住基ネットに加入したとのこと。知らなかった僕はモグリでしょうか。。。杉並区、最高裁まで争って敗訴だったのね。。なんかググればググるほど、住基ネット大騒ぎだったことが分かるわけだが、そちらはおいおい調べることにして。。


確定申告の締め切りまであと1ヶ月くらい。何がどう時間を取るか不明なので、サッサと住基ネットと電子証明書をもらう手続きをしよう、と、月曜日の朝区役所に行ってきた。

●1階に住基ネット申請特設窓口あり。簡単な確認をして、番号札をもらう。
●番号を呼ばれ、住基カードの申請手続き。終わったら一旦もうちょっと待って、と言われる。
●もうちょっと待ったら、同じ窓口に呼ばれ、住基カード代金500円を払う。
●パスワードを設定して、カードをもらう。
●そこから、電子証明書の窓口が別にあって、そちらに移動。
●即座に電子証明書の手続きをする。その窓口にはこちらを向いているキーボードなし。パスフレーズどうやって設定?
●と思っていたら、後ろに「パスフレーズ入力マシーン」があった。ほぼそのためだけ、のように見える機械が3,4台あり。
●マシーンでパスフレーズを設定して、もう一度電子証明書窓口へ。
●最後にストアされた情報の確認をして、完了。代金500円を支払う。

一つの窓口で腰落ち着けてやれないものかとか、あのマシーンはなぜ存在するの?とか、ツッコミどころはあったけれども、しめて、特設窓口にとりついて35分くらいで手続き完了。上出来だと思った。

しかし、このICカードにパスワードを設定するとか、電子証明書を作る、などというITな仕事を、区役所で見るとは思わなかった。対応確認済みカードリーダーのリストとか出してきて、windowsだMacOSだと説明している様子は、印鑑証明や住民票をもらいに来る区役所窓口のイメージからは隔世の感があるというか、大きな違いである。

台帳を管理して、その謄本を「台帳と同一だ」だと証明するために、複製されにくい用紙と捺印で発行する、という行為は、正に電子証明書でやっていることと同じなわけで、区役所も電子的になったもんだなぁ、と感慨深かった次第。

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