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[広報][メディア]メディア企業の変化と企業広報:翔泳社の京部さんを企業広報で囲みました

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弊社ビーコミでは、昨年から実験的な試みとして少人数の広報・マーケティング担当で勉強・交流を行う「ビーコミPRクラブ」を開催しています。前回の内容はこちら

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今回は「編集長を囲むB2B広報の会」と題し、ゲストに翔泳社のメディア事業部統括編集長 京部康男様をお迎えしました。(京部様の略歴はこちら

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採用広報の時代

前職でいわゆる「採用広報」をされていた京部さん。インターネットがまだ無い時代。いわゆるリクルートブック(辞書のように分厚い就職情報誌)の時代に、ベンチャー企業にて1社型メディア制作を行っていました。当時は新卒を1人採用する為にかかるPR予算が100万円と言われており、いわば「採用バブル」時代でした。

この採用バブルは、バブルが崩壊した事とインターネットの出現で終焉を迎えるわけですが、そのあたりで京部さんは翔泳社に入社します。

世の中の流れに合わせ、変革する翔泳社

翔泳社は1985年創業。ソフトウェアパッケージのデザインと、テクニカルライティングを行っていました。ソフトウェア企業のパッケージ作成(いわゆるソフトウェアとマニュアルが入っている箱です)やマニュアル作成が大きく売上に貢献しますが、1990年代半ば、大手ソフトウェア企業はそれらの業務の拠点をシンガポールなどのアジア地域に移転させてしまいます。

IT雑誌と資格書が大当たり

大規模な売上を揚げていたパッケージビジネスが無くなる中、翔泳社は新たな分野に活路を見出します。それが「IT雑誌」と「資格書」でした。DB magazineやVisual Basic Magazineを創刊して売上を伸ばし、MCSEやオラクルマスターといったベンダー資格の資格書が大当たりしました。

IT界のウッドストックデブサミ開始へ

ところが2000年のITバブル崩壊もあり、紙媒体が先細りになります。そこで翔泳社はまた新たなことをはじめます。それがコミュニティと連携した、IT界のウッドストック「デブサミ」(Developers Summit。2003年開始)です。当時は有償のエンジニア向けイベントが高額だったこともあり、無料でテクニカルなイベントに参加出来るとあってエンジニアに非常に話題となりました。デブサミは、立ち上げと運営に多大に貢献した岩切さんから若手がバトンを引き継ぎ、現在も開催されています。

今後はB2Bテックの時代

京部さんは、クラウド☓ソーシャル☓ビッグデータの台頭により、サービスの導入の意思決定は情報システム部門から経営企画、ビジネス戦略層へ移り、従来のエンタープライズITから「B2Bテック」の時代が来ると考えているそうです。

日本の投資家はそれほどスケールしないと思っているのか、あまり企業向けサービスに注目していませんでした。クラウド(AWS)以降、勃興してきたB2Bクラウド(SaaS系)はこれからが旬 でHRテック、FinTechなど、これまでの情報システム部門やCIO向けとは異なるワーディング、デザイン、人の出し方、ストーリーなどが必要だとのことでした。

事例や人の紹介も大歓迎

現在京部さんが手がけられているBiz/Zineは、そういったことをふまえ、Webビジネスやクラウドが主流になり、従来の情シス向けのIT専門メディアだけでは届かなくなった情報を、企業内事業開発層に訴求するというコンセプトで作られています。プレスリリースや会見も大歓迎ですが、事例や人の紹介も歓迎しているとの事です。

個人的には一連のお話を伺って、広報の部分だけでなく、時代と共に企業が提供するサービスを変革させていくかの重要性を感じました。今私どもが提供している企業の広報を支援するサービスも大きな変革期を迎えているため、非常に刺激を受けました。

今回のPRクラブの参加者の多くは外資系企業と上場企業の方でした。

参加者同士のディスカッションでも、業界が今後どうなるのか、コミュニティはどう作り上げるのか、といった質問や意見が飛び交い、非常に充実した場となりました。

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お忙しい中講師をお引き受けいただいた京部様、そして参加された皆様、ありがとうございました。

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次回以降もビーコミPRクラブの情報は弊社facebookページで告知致します。もしご興味をもたれた方はページに「いいね」をしていただきますと、新着情報が届きます。

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