[広報] 会えないからこそウェットに?コロナ禍広報のオンライン勉強会で感じたこと
コロナ禍の広報の困りごと
コロナ禍で皆さんが広報活動で困っています。
新年度開始のタイミングと重なり新人広報さんも実践や学びの場がほぼない。
記者が異動しているので、連絡が取りづらい。
そもそも、記者も広報担当も在宅なので、取材をどうしたらいいのかもわからない。
会社としてどんなことに備えたらいいのか、前例がなくてわからない。
4月10日にオンライン勉強会を開催
そんな声に応える形で、4月10日に「こんなときだからこそ、広報どうする」というイベントをオンラインで実施しました。
この時は、San san広報の小池さんにオンライン会見の事例、そして、多数のオンライン会見に参加したライターの三浦さんに参加する側の視点で語っていただきました。
すでに川原さんがオルタナブログで言及されてますので、ご覧になっていただいた方もいると思いますが、
詳細はこちら(ログミーのリンクに飛びます)でご覧ください。
前置きが長くなりましたが、5月25日、その第2弾となるイベントをこれまたオンラインで開催しました。
5月25日に第二弾。(自分入れて)オルタナブロガー3名登壇!
今回はオルタナブロガーでもあり、数多くのオンライン取材をしているライターの谷川耕一さん、オンライン対面問わず、数多くの記者会見に参加され、広報会議で連載を持っている永井千佳さんに加え、本業の他に副業で他社の広報支援をしている(最近このような新しい働き方が増えていますね!)森真紀さんに、様々な体験談を交えて広報の皆さんに役立つメッセージを込めたお話をいただきました。
200人が登録、150人が参加
最終的には150人を超える方に参加いただくことができました(zoom webinarで視聴いただいた方は大丈夫だったのですが、前半にYouTubeへの接続トラブルがあり、失礼しました)。
まず、申し込み者の属性なんですが、こんな感じでした。広報関係の人が圧倒的に多い。
それで、PR会社の方の参加がすごく多かったです。超有名な大手さんや外資系PR会社も。そんなことからも、未知のことに戸惑っているサービス側も多いのだなという印象を受けました。
余談ですがPR会社同士は意外と交流があります。一緒に動くこともありますし、案件を紹介しあったりもしています。PR協会や広報学会を通じても交流があります。よきライバルであり、よき同志でもあります。
デジタルの時代だからこそウェットに(谷川さん)
講演の内容ですが、最初に登壇された谷川さんは「デジタルの時代だからこそウェットに」を強調されていました。
DXとも繋がる話だと思うのですが、広報PRも、デジタル化で「仕組みづくり」や「ツールの活用」は進んでいく。
でも「人と人のつながり」「相手の立場になって考える」の部分は、おろそかにしてはいけない部分。
これを谷川さんは「ウェット」というワードで表現されたのだと思いました。
そしてこれは、私のパートで紹介した先輩広報の体験談とも繋がるように思いました。
記者との関係性があるから、相手のことを考えられるから、色々な角度の写真が必要という話に繋がる。自分だけがWinじゃなくて相手に配慮しているから、紹介が広がっていく。
受け手、環境(オンライン)に配慮してコンテンツを修正(永井さん)
このテーマは、永井さんの講演にも関係があります。自分の都合で対面で使っているプレゼンを転用するのではなく、聞き手のことを考えて、プレゼンを作る。スマホで見ている人もいるだろうから、文字を大きくする。会社概要から説明を始めない。根底にあるのは「受け手のことを考える」ということです。見ているのは人間です。その人のエクスペリエンス(体験)を考え、気持ちに寄り添う。実際にオンラインの講演でも、文字を大きく、そして間をとってゆっくりと話していただいたので、理解が深まった人も多かったと思います。
相手の記者に合わせて、背景画像を変更、60件コンタクトして30件のオンラインアポを獲得(森さん)
最後に登壇いただいた森さんも、まさに「ウェット」そして「先行者」としての活動をされていました。
早い段階からオンラインのアポ取りを開始。記者も珍しいし、少し暇になっていることもあり、どんどん受けてくれる。5割の確率でアポ取りを実現。
相手のことを考えて漫画好きの記者なら背景を漫画にするなど、相手に合わせてオンライン会議のバーチャル背景も変更(事前に無料の背景を収集しておきたくさんのバリエーションを揃えたそうです)
記者から返信がこなければ、別のツールも使ってリマインド。打ち合わせ当日も忙しい記者のことを考えてリマインド。まさにウェットです。ツールは最新、だけど気持ちは相手に寄り添っている。そして積極的だけど嫌味がない。
実はここだけの話、記者の多くは一部のPR会社からの機械的、なおかつ心のこもらない電話攻撃に悩まされているのです。こんなに相手のことを考えた連絡が来たら、驚いてしまうのではないでしょうか?
打席に立った人、ベンチで様子を見ていた人で差が出ている
今回寄せられた参加者の質問や意見、体験談を拝見して思ったのですが二極化が進んでいる印象でした。コロナ禍は誰にとっても初めてのことで、ベテランも新人も同じくスタートラインに立ったわけです。そこで、失敗や実験的試みを恐れずに挑戦している人と、初めてだからと様子を見ていて、情報収集モードから抜けられない人。
この手のものは先行者利益があるので、荒削りでも、失敗があっても、先に走り出した方が手にできるものが大きくなります。初期はミスがあっても、多めに見てもらえます。頭の中で考えているだけでは先に進みません。
誰にとっても初めてのことなので、最初から大成功するのは難しいタイミングなのです。
今日もある記者の方がソーシャルメディアに投稿していました。オンライン会見に不備があって、もらったパスワードでアクセスできず苦労したと。
この主催者は今、やってみてよかったと思います。オンライン会見が定着してからこんな失敗をしたら目も当てられませんから。
緊急事態宣言が解除されたことで、また状況は変化しています。そんな中、どんな広報活動がいいのか、皆さんで一緒に実践しながら、進んでいきたいものです。谷川さんも言っていたハイブリッド会見(対面会見とオンライン会見を同時に)が主流になるかもしれません。
とはいえ、広報のことが全くわからず途方に暮れているという人もいることでしょう。そんな場合は、ここで紹介した広報の先輩や森さんに、それこそソーシャルメディアを活用してコンタクトしてみるのもありだと思いますし、弊社でもビーコミPRクラブというオンラインを中心とした少人数の勉強会/交流会をやっています。よろしければ覗きに来てください。
最後に今回の無料イベントの実現に向けて快く登壇してくださった谷川さん、永井さん、森さん、YouTubeへの接続などでアドバイスをくださったり、協力してくださった方々(具体的にはW社社長のAさん、M社社長のOさん、元記者のHさんなどなど多数)、そしてハッシュタグをつけてTwitterで共有をしてくださった皆さんにこの場を借りて、お礼申し上げます。少しでも参加された皆様のお役に立っていたら嬉しいです。