[書籍]コミュニケーション学がわかるブックガイド
少し前に、コミュニケーションを学ぶ上でとても参考になる本を頂きましたのでご紹介させてください。
コミュニケーションを学問として考えるとどうしても学際的という言葉がつきまといます。社会学や言語学、心理学など様々な学問の知識が関わっている学問であると言えます。本を買ってみると、特定分野に重きを置いているものが多い印象です。
この本は、それぞれの分野に詳しい専門家が、コミュニケーションを語る上で外せない書籍を128冊選んで、それぞれに解説を加え、1−2ページでまとめる、というスタイルになっています。そんなわけで、偏りなく、まんべんなくいろいろな内容が取り上げられています。著者プロフィールやキーワードも便利。
メディアコミュニケーションも、企業コミュニケーションも別の章で括られており、とても読みやすい作りになっています。メディアコミュニケーションでは、私が興味を持ち続けているインターネットのコミュニケーションも取り上げられています。編集の全体はネット黎明期からコンピュータコミュニケーションの研究を多数されている川浦康至先生です。
企業コミュニケーションの中には、広告や広報の書籍も多く取り上げられています。広報の部分は、駒橋先生も解説を書かれています。広告は、関沢英彦先生。
解説がそれぞれの分野の専門家が書いているため、単なる感想文や要約に終わらず、筆者の意見とわかりやすい解説が書かれていてクオリティが高く、それ自体を読むだけでも、得られるものが大きいです。
有名な本もあれば、最近出て来た意外な本も取り上げられており、コミュニケーション学のバラエティに富んだ品揃えに驚かされます。
コミュニケーションは私たちの生活と切っても切り話せないものですが、学問として学ぼうとすると、「どこから手を出そうか?」となってしまいがちです。
そんなもやもやした状態の人にも、関連書籍をざっと眺め、どこから入ったらいいのかというヒントも与えてくれる、そんな書籍ではないかと思いました。
私は大学院でコミュニケーションを学び、今はビーコミというPR会社を経営しながら、サイバー大学(インターネットを活用し、オンデマンドで学べる大学)で「コミュニケーション論」という講義を担当しているのですが、役立つ内容が満載で、学生の方々にもお勧めしたいと感じました。
コミュニケーション学がわかるブックガイド | |
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