メッセージの2面性
ネット上にIPOした会社の決算説明会の資料などがアップされているので、拝見することがあります。そこで思うのは「顧客(ユーザー)の視点」と「それ以外の(投資家、従業員など)視点」の2点です。
投資家の視点で見ると、利益率とかに着目しますが、顧客としてみると、「ああ、こんなに利益あげちゃって、ぼったくってる。それならもう少しサービスをよくしてほしい」などと思ってしまうのです。
本業が振るわないからと、すでに他社が参入している分野にいきなり参入しようとしている場合、ユーザーから見れば「やめてほしい。勝算なさそう。もっと既存ユーザーを大切にしてくれー」なのに、投資家から見れば「よくわからない技術だけど、これがうまくいけば株価もあがりそうだ」と感じる可能性もあります。
それから、エステなどのサロンのWebサイト。「高級そう。少し高めだけど行ってみようかな」と思うと同じページから「未経験アルバイト募集。時給1000円」のリンクが。高級な気分を求め、高いお金を払うなら、時給1000円の人にマッサージを受けるのはちょっと抵抗があります。しかし、これから新たに美容業界に入ろうとしている人からしてみれば、経験なくてもとりあえず働けるというのはうれしい話かもしれません。
さらに、辛くて美味しい中華のお店。いい感じだったし、また行こうかなと思って何気なくWebサイトをみてみると「フランチャイズ募集。アルバイトでもレトルトで同じ味が再現できます」って見た途端に食欲が失せたりします・・・でも、これからフランチャイズをやろうとする人なら「スキルのある人を採用しなくてもできそうだ」と元気が出てくるかもしれません。
異なる対象者向けにサイトを分けられればこの問題は解決しそうな気もしますが、公に公開しなければならない資料などもありますから、なかなか難しい問題のような気もします。