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もしかしてそういう戦略?Amazonのマーケットプレイス

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9年前に出た本なのですが、どうしても必要になり、Amazonのマーケットプレイスで3冊出品されていたので購入することにしました。

定価3000円の本で、一番安く出品されているものは1400円、残りは2冊とも1700円でした。1400円のものは日焼けや折れがあるとのことで、残りの2冊は状態が「良い」というステータスになっていたので、そのうち、大手古書店が出品しているほうに決めました。

ボタンを押して注文を確定したのですが、翌日その古書店からメールが来ました。発送しようとして、本の状態をよく調べたら、3箇所に蛍光ペンで線が引かれているとのこと。それでよければ、発送しますので、メールで返信をくださいというのです。

つまり、元からステータスは「良い」ではなかったわけです。

最初から低いステータスにしてしまったり、状態が悪いと書いてしまうと、買う側もどうせなら、少しだけ高くても、きれいなほうにしようと考えますよね?

クレジットカードから代金が引き落とされた後(注目確定した後)になってから「実は状態が悪かった、どうしましょうか?」と言われたら、「まあ、少しくらい汚れていてもいいや。また注文するのは面倒くさいし。一度買うと言ってしまったし」という人もいそうです。そうすれば、少し汚い本であっても、相手にとりあえず納得をさせて、しかも、幾分高いお値段で購入いただけるのかなと。

なんか、そんなことを考えて、この古書店は出品しているのではないかと勘ぐってしまいました。

というのも、「ローボールテクニック」という手法があるのです。チャルディーニら(1978)、バーガーとベティ(1981)が見出した方法で、受け手にとって魅力的な状況を作って受けての応諾を引き出し(=低い取りやすい球を投げて、受け取らせ)、その後、その特典を取り去ってしまう方法です。人は一度応諾すると、たとえ状況が自分にとって悪くなっても、言行一致的な行動をとりやすいことを利用した方法だそうです。「自動車にオプションをつけます」と言われて購入を決定した後、「上司に確認したら、この金額ではつけられないそうです。ごめんなさい、無理でした」と後から言われても、取り消さずに買ってしまうとかいうのも、その例だそうです。(参考文献:セレクション社会心理学10 依頼と説得の心理学 サイエンス社 今井吉昭著)

ローボールテクニックの影響を受けないためには、状況が変わったら、先の決定に執着せずに、もう一度判断して決定することが重要なのだそうです。

え、私がどうしたかですって?即効キャンセルしちゃいました(笑)。とりあえず図書館で借りるという手段を思い出し、そうしました。

見つけにくい本が出品されていて便利なAmazonマーケットプレイス。1円で出品しても利益を出す方法があるとかでこれで稼いでる人がいるとかいうのはまあ、楽しくてよいのですけど、業者が在庫がないのに出品して「在庫がないので返金処理します」というケースも意外とあるようです。届くと思って待っていたら「在庫がなかった」メールがくるとがっかりですよね。便利な面もありますが、使い方にも工夫が必要で、急ぎでほしい商品をよい状態でマーケットプレイスで買うのはお勧めできないと思いましたが、皆様はマーケットプレイスで購入されたりしてるんでしょうか?ちなみに私はなんだかんだ言いながらも、アマゾンはかなり利用しています。

ここまで書いて、あれ、ちょっと考えすぎかなあ?ちょっと疲れてるしなあ、自分。とも思いましたが、とりあえず書いたのでアップしてみます。

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