なぜ、お買い上げいただけないのか?
DMPを使って分かることでもう一つ大切なことがあります。それは訪問される顧客層とお買上の顧客層の差が分かることです。実際に店頭でも、より売上を上げるためには売れた理由よりも売れなかった理由の方が対策が立てられる分だけ重要だと言われます。
しかし、店頭での売れなかった理由はなかなか分析しようにもできないのが実際の所ですが、DMPを使うと訪問顧客層とお買上の顧客層の差分が分かりため、売れなかった理由に近づくことが出来ます。
DMPにはプライベートDMPとパブリックDMPがあります。前者は自社サイトや自社のPOSデータなど1st party dataである自社データを格納するDMPです。一方、パブリックDMPは、さまざまなサイトのアクセスデータを収集・集約がなされているデータ基盤(3rd
Party Data、2nd Party Data)です。個人を特定できるデータは含まれていませんが、CookieでそれぞれがどのようなWebサイトの閲覧行動をしたかが集約されています。
これらプライベートDMPとパブリックDMPを組み合わせることで、訪問してきた未知なる顧客と既存顧客との趣味属性や性別年代と言ったデモグラフィック属性の違いが分かります。
あるビデオオンデマンドサービスを提供されていた企業では、店頭では50代男性も多く会員になっているのに、ECサイトでコンバージョンが多いのは20代女性でした。マーケティングのご担当者は、ECサイトだからそんなもんかとお考えでしたが、実際に訪問してきている顧客は、50代男性も多くいました。
しかし、紹介している商品のコンバージョンが多いのが20代女性であることから、いかにも若い女性向けコンテンツばかり揃えていたので、50代男性など他の客層にとっては自分は招かざる客だと感じてしまい、逃げてしまっていました。実際、コンテンツの見せ方を変えたら、50代男性も多くコンバージョンし売上は大幅にアップしています。
他にも使い方があります。
次の事例は、銀行の事例です。銀行のサイトを訪れてきた人が、式場サイトやマンション探しサイト、インテリアのECサイトを最近よく見ているということが分かれば、この方はそろそろご結婚をお考えなのではということが類推できます。
そうだとすれば、口座の開設や住宅ローンのご紹介をランディングページで行えば、興味を持ってもらえる可能性は広がります。
3rdPartyDataを活用すると、ライフイベントも検出することが可能です。
実際に適用したのは某プロバイダー事業者です。毎年3月になると異動や引っ越しで解約する人が増えます。実際にはプロバイダーですから、地域はあまり関係なく、新しい住居でも使ってほしいと願っていました。
解約防止策として、引越キャンペーンを実施していましたが、サイトに解約しにくるユーザーの9割がこのキャンペーンコンテンツを見ていませんでした。このサイトに訪れるときには既に解約することを心に決めて訪問してくるため、バナーをだしていても目に入らないのではないかと思います。
解約しようと思う前に、引越を検知してキャンペーンを告知しなければなりません。その際に3rd Party Dataが役に立つことがわかりました。どういうことかと言うと、解約しに来る人を解析すると不動産や結婚などのサイトを見ていることが分かりました。そこから解約しそうな人を事前に検知して継続○年で○○プレゼント!とか○%OFFといったキャンペーンコンテンツをプッシュして、離反を未然に防いでいます。
このように、3rd Party Dataを活用することで、今まで打てなかった施策を打てるようになり、ビジネスを進化させることができるのです。