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顧客創造 ~ネットから店頭に顧客を送る~

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One2Oneマーケティングと言われて久しいのですが、実際にOne2Oneマーケティングができている企業はどれだけあるのでしょうか?百貨店にせよアパレルにせよ郵便で届くDMはもちろんのこと、ブランドや企業からの会員向けメールですら、個を対象としたパーソナライズを感じることはほとんどありません。

特にアパレル企業が発信するメールは、リンクするECサイトの特定ページを開いた時に、あまりに扱いアイテムが多すぎるため絞り込みページへと飛んでいきます。絞り込みページでは、まずはメンズなのかウィメンズなのか、ブランドはどのブランドなのか、アイテムは何に興味があるのか、価格帯はどのくらいを考えているのかなど、お客様が様々な質問に対して選択肢から自分の知りたい項目をセレクトし絞り込むところから始まります。

こういったブランドショップのウェッブサイトで、いくつもの選択肢から選んで商品を絞り込んでいく作業をしていると、このブランドは本当に買ってほしいと思ってサイトを作っているのかと疑いたくなります。例えば、メンズなのかウィメンズなのかの選択はデフォルトで本人の性別が入っているべきです。更に、例えば最近買った服にコーディネートするのに適したアイテムを選ぶための選択肢がデフォルトで入っているといったように、顧客を十羽ひとからげで考えるのではなく、もっと「個」に寄り添った設計が必要です。

そうでないと、店舗では相当買物をしているのに十羽ひとからげな扱いを受けていると感じたとたんに、優良顧客であればある程、せっかくのWebサイトから逃げ出してしまいかねません。そもそも、メールの開封率も上がる訳はありません。企業からのメールが原因で顧客がネガティブな感情を抱くようであれば、なんのために苦労してメールやWebサイトつくって運営しているのかもわからなくなります。

確かに、いきなりOne2Oneマーケティングに挑戦してみるというのはいささかハードルが高いかもしれません。であれば、まずは顧客を層で捉えたターゲティングをしてみてはどうでしょうか。

顧客を層で捉えたターゲティング

そのやり方についてご説明します。

まず、顧客を「既存のお客様」なのか貴社にとって未知なる「新規顧客」となる方なのかに分けます。次に顧客の行動を「購買行動」なのか「ネットでの行動」なのかに分けると、図1のような4象限が出来上がります。

図1 LOOK A LIKEを抽出する

11.5 ネットから店頭に顧客を送る2.png

このターゲティングの考え方は、A象限とB象限により既存顧客をクラスターに分けて(貴社の既存顧客が起点となっているため貴社の価値が分かっている顧客が原点ということになります)、その特徴を理解した上で、C象限とD象限でネットの世界からまだ見ぬ、優良顧客候補をターゲティングしてくるというものです。

最初に、象限Aのように既存顧客の購買行動(履歴)でクラスターを作ります。A象限の顧客は貴社がご提供されている商品やサービスにお金を支払ってくれる、つまり価値を認めてくださる顧客です。

クラスタリングをするときには、例えばお直しや家電製品であれば電池など趣味嗜好性に関わらず購入するものは外しておくことです。クラスタリングは機械的に行うことになると思いますが、クラスターを横断して購入するものが入っているとクラスターを構成する際に引きずられてしまい、有意なクラスターが生成されないためです。


次にAの象限で抽出したクラスターを対象として、B象限では彼らのネットでの行動により更にクラスターに分類します。これはどういうことかというと、購買実績は類似の顧客層であっても貴社サイトの見方という視点から、もっとクラスターを細分化し、趣味嗜好性や関心事をはっきりとさせていくことが大切です。


実際にこれをやろうとするとリアルの購買とネットでの行動を紐つけなければなりません。既存の顧客については、メール会員やWeb会員の申し込み時にアクセスするわけですからCookieを使うことの許諾を得ておく必要があります。もしまだインフラが整っていないようでしたら、いまや世の中には多くのソリューションやサービスがありますので探してみるべきだと思います。


次にCの象限です。Bの象限で抽出したクラスターと類似のクラスターをSSPがもつ顧客の興味関心事から選んでターゲットとします。図1のタイトルである「LOOK A LIKE」というのは、「そっくりさん」という意味です。つまり貴社の価値を認める優良顧客のそっくりさんを未知のWeb世界から選び出していくという意味です。


AB象限での作業により、購買行動や閲覧行動からターゲットの特徴がわかりますし、広告配信をする際にも、何を見せれば興味が湧きそうかも推測が付きます。つまり推測ではあっても顧客を理解した上でアプローチができるため、通常のリターゲティングとは意味合いが異なります。

このように、店頭でのお客様を、購買行動とWebサイトの閲覧行動を基に理解をして、まだ貴社の魅力に気が付いていない将来の貴社顧客を創造していきます。

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