Javascriptベンチを取ってみた(Mar 7,2011)~最後のFirefox 4 beta/Opera新HTML5パーサ「ラグナロク」導入~
最後のFirefox 4 betaが公開されました。また、Operaが新HTML5パーサ「ラグナロク」導入を開始し始めました。そこで、いつものJavascriptベンチを行ってみます。
Javascriptベンチは、SunSpider 、V8 Benchmark Suite、Kraken、PeaceKeeper、Wriggly Words
測定したPCは、Phenom II X6 1090T BE(3.2GHz)、Radeon HD 6850、Windows 7 64bitです。SunSpider、KrakenとWriggly Wordsは値が小さいほど優秀で、V8 Benchmark SuiteとPeaceKeeperは値が大きいほど優秀です。
Firefox 4のJavascriptベンチとしてはこのあたりで落ち着きそうです。これ以上betaを作らずにRCが公開されます。2011.3中には正式版が公開されます。今後は短い期間で更新し続けるとそうですので、楽しみです。
MozillaがIE 9はモダンなブラウザでないと発言がありました(モダンなブラウザとは)。その回答がMicrosoft側から回答されています(「IE9はモダンなブラウザではない」とMozilla、Microsoftは反論)。この反論の一つに以下の様にあります。
GPUハードウェアアクセラレーションの活用、最新のJavaScriptエンジン、マルチコアの有効な利用など処理速度が高速であること。
現在のCPUは、IPCを向上させるよりもマルチコア・マルチスレッド化とGPUの搭載がトレンドです。このため、このトレンドにあうようにソフトを作るのは当然のため、この回答は理にかなっています。
ですが、IE 9はマルチスレッド対応するためのWeb Workersをサポートしていない唯一のモダンなブラウザです。また、GPUをフル活用するWebGLもサポートしていません(まぁ、これはしかたないかな)。このため、回答と結果があっていません。
ここで、各ブラウザのHTML5及び関連APIのサポート状況を"THE HTML5 TE"でチェックしました。以前と違って400点満点です。
IEは最低です。また、新HTML5パーサ「ラグナロク」を搭載したOpera 11.50も高い数値が出ています。このテストはAPI系も含むためなかなか満点は難しいと思いますが。
また、"Internet Explorer 9がHTML5のオフライン機能やWeb Workersを実装していないことをどう受け止めるか"に以下のようにまとめられています。
「いくつかの機能が実装されていないのはやや残念だが、企業内で使われることの多いIE9では理解できる、ただ今後のアップデートはもっと迅速にしてほしい」
"モダンなブラウザとは"にも書きましたが、やはり更新速度を上げて欲しいというのがユーザ側からの意見なのでしょう。新しいAPIを対応することで今までできなかったことができるようになるのですから。
また、NetApplicationsからブラウザシェアが発表されました。そこで、シェアのグラフと先月差のグラフを作って見ました。OparaにはOperaとOpera miniを加算しています。
・ブラウザシェア
・ブラウザシェア先月差
(出典:NetApplications)
2011.2のブラウザシェアが動きが少しおかしかったのですが、"2月はIEシェア増、Firefoxシェア減 - CIAインターネット人口情報を反映"に以下のように解説されています。
"米国中央情報局(CIA)が公開した世界中の国別インターネット人口データを加味して、統計方法を変更"
なかなか統計データを見るのも難しいものです。
NetApplicationsのブラウザシェアを最小二乗法で2011.12のシェアを予想してみました。"対象月数"は式を求めるのに対象にした月数です。多ければ精度があがり、少なければトレンドをキャッチできます。
最小二乗法なので、参考程度にしてください。もう少し良い予測方法を模索中です。
また、上記のグラフやJavascriptベンチのデータに関しては、公開することにします。以下になります。
・ブラウザシェア2010/8/3以降
・Javascriptベンチ(2010/8/5以降)
・HTML5サポートチェック
・ブラウザシェア予測 2011.3.7以降
綺麗にまとまっているわけではありませんが(グラフとか散乱している)、必要ならば使ってください。Javascriptベンチは定期的に取っているとはいえ、全てのバージョンであるわけではありません。Javascriptベンチは不定期ですので、注意してください(要望があれば、週末とるとかしても良いですが..,)。また途中でCPUなどハードウェアが変わる可能性があります。このため、前後でデータを比較しないほうが良いと思います。さすがに同じハードを長期で使い続けるのは難しいですので。
また、今後もこのようなデータをGoogleドキュメント上でまとめている場合はその都度URLを公開していきます。