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Fermiと言えば、人類最後の...

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NVIDIAから"Fermi"アーキテクチャのGeForce GTX 400シリーズが発表されました。"Fermi"アーキテクチャは、NVIDIAのビジョンが詰め込まれ今後のGPUを占う重要なアーキテクチャです。ただし、最初の製品であるGeForce GTX 400シリーズはかなり難産だったため、今後の展開が気になります。

今回はGeForce GTX 400の話ではなく、アーキテクチャ名称であるFermi(フェルミ)に関して私が知っていることを書いてみます。

Fermiと言えば、エンリコ・フェルミ氏のことです。ノーベル賞を受賞し、自身の名前がついたフェルミ国立加速器研究所があるほどです。

一般的にフェルミと言えばフェルミ推定の方が有名かも知れません。

"なぜWWWが物理業界から発生したのか"にも書いたとおり私は物理学出身者です。このため、フェルミと言えば"フェルミ粒子"が一番最初に口から出てきます。なぜならフェルミ粒子は、クォークや電子などの物質を構成するための最小の単位である粒子が該当する重要な粒子だからです。

その様な物理だけではなく統計学にも功績を残しているフェルミは、Wikipediaにも書いてあるようにベータ崩壊の理論(知らんかった...汗)を完成させたり、世界最初の原子炉の開発等も行った高エネルギー物理学の基礎を作った一人です。

このため、Wikipediaに「実験家と理論家との2つの顔を持ち、双方において世界最高レベルの業績を残した、史上稀に見る物理学者であった」と評価されたのでしょう。

その様なフェルミをフェルミ研に居たことがある先生曰く「フェルミは、人類最後の実験・理論の両方を兼ねた物理学者」と言っていました。"人類最後"の箇所はフェルミの才能を過大に評価しすぎているようにも読み取れますが、その功績と時代から来ているのかも知れません。

偉大なFermiの名前をNVIDIAが開発コードに採用したのは、"彼の開発した原子炉と「爆発的な性能向上」をかけて「Fermi」とコードネームが名づけられた"とあります。物理を勉強した者としては、Fermiの名を汚さない製品になって欲しいものです(現時点ではNVIDIAの黒歴史のトップかも...)。

【物理つながり】
なぜWWWが物理業界から発生したのか

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