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なぜWWWが物理業界から発生したのか

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WWWの生みの親であるティム・バーナーズ・リー氏のコメントを読んで、昔のことをを思い出しました。

ティム・バーナーズ・リー氏が、CERN(欧州原子核研究機構、セルン or サーン)でWWWを作ったの有名な話です。CERNと言っても、何をしているところかわかりづらいですが、昨年末に稼動したブラックホールを生成するのではないかと噂になったLHCがあるところです。

ブラックホールねたは横において、ここでひとつ注意してほしいのは、HTTPがコンピューター系でない物理系研究所で生み出されたのには理由があります。

まず、CERNで行っている実験の分野は一般的に高エネルギー物理学と言われています。

高エネルギー物理学は、他の分野と違った特殊な傾向があります。それは、莫大なお金が必要なところです。

例えば、もう10年も前の話ですが、KEK(高エネルギー加速器研究機構)にある加速器(TRISTAN)を1日稼動させるのに必要な電気代が1億円になると教えてもらいました(ほとんどが超伝導電磁石の冷却代)。また、加速器は、大きければ大きいほど新発見ができる可能性があがります。当然、それは建設コストに比例することになります。

国際リニアコライダーの項を見てもらうとどれだけ資金が必要な学問か、その一端が分かると思います。ここまで金食い虫な学問である高エネルギー物理学は、一カ国の政府の資金では運営することができないため、世界中から資金(と研究者)を集めるスタイルをとることにしました。

多くの国の研究者が参加すれば、ひとつ問題にぶち当たります。それは、実験施設以外にいる研究者達との情報共有の方法です(多くの国から参加しているからと言って、フルタイムで全員集合するわけではなく、分担して参加します)。

当時既に存在していたftpやGopherでは、情報共有にも限界があります。このため、より情報共有しやすいWWW(HTTP)が使用されるようになりました。

ティム・バーナーズ・リー氏の偉大な貢献もありますが、このような世界中から研究者を集めて情報共有する必要がある学問だから、HTTPが生まれたのは必然だったと言えるでしょう。

高エネルギー系物理学が、もっとも人類に貢献したのは、超新星のニュートリノを検出することでも、クオークが6種類あることを見つけたことでもなく、HTTPを生み出したことだと思います。

ついでに、日本で最初のホームページがKEKで作れたのは有名な話ですが、これもCERNつながりからきています。

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