腕時計の針を1分進めてしまう習慣はなぜ悪いのか。
ちょっとしたMeetingや納期などに、いつもギリギリに来たり、1、2分遅れてきたりする者がいる。
なかなかその癖はなおらないようだが、自分でわかっているはずだと思い、会議室に入ってきたときに少し睨みをきかす以外は、特に指摘することも怒ることもしていなかった。
そんな彼と一緒に昼食をとっていたら、
「最近、3分時計を進めているんですよ~。ほら腕時計も携帯も」
と、自慢とも言い訳ともつかないことを私に話してきた。
彼は、しばらくの間、何度かのMeetingや日々のAction Planなどの提出物を時間通ぎりぎりに間に合わせたが、しばらくすると、また、下手な言い訳をして遅れるようになった。
やはり、遅刻する習慣はなおっていないようだ。
<なぜ、腕時計の時間を進めるのか>
なぜ、時計の時間を3分進めるのかを本人に聞いてみると、
・「あ、遅刻だ!」とびっくりして会議や待ち合わせに遅れなくなる
・常に3分早くいろんなことをやるようになる
というものだった。 また、
・時計の時間通りにやっていれば、遅れることはないという安心感
も心地よいようだ。
<なぜ、腕時計の時間を進めては”いけない”か?>
しかし、この
「腕時計の針を1分進める」
というテクニックは、一時的に時間に遅れないという効果はあったとしても、ビジネスマンが持つべき最低限の習慣を身に着けるという意味では最悪の方法である。
1分遅らせて、最初はびっくりして、1分前から頑張るだろうが、しばらくすると、腕時計の針が1分進んでいることを前提として行動するようになり、1分進めている状態で遅れるようになると、2分進め、しばらくすると3分進め、4分まで進めてそれになれてしまった段階で、
「さすがに5分進めても意味がない」
と考えて、1分進めた状態にリセットして、また、同じことを繰り返す。
結局、
「決められた時間より遅れるという、癖、習慣はなおっていない」
のだ。
もし、本当に納期や会議の時間、待ち合わせに遅れない自分を創りたいなら
「時計の針は一切進めず、きっちりした時間に合わせる」
ようにして、常に、
・時計が遅れる可能性
・電車が遅れる可能性
・何かが起きる可能性
を考えて早めに動き
・遅れたときは言い訳を考えずに素直に謝る
という習慣を身に着ける努力を日々するしかないのである。
その習慣を身に着けるのが難しいと感じても、それは克服しなくてはならないものだ。
日々修正しなくてはならないのは、
時計の針ではなく、自分の習慣
なのだ。
と、妻とのデートに何度も遅刻してきた私が言えることでもないか、、、。
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