Notesクライアント版LotusLive「LotusLive Notes」、、、ってクラウドとは呼べないんじゃない?確かに便利だけど。
USでは10日、日本では今朝(11日)に「LotusLive Notes」が発表されたが、このNotesクライアント版LotusLive(SaaS/パブリッククラウド)が、意外な盛り上がりを見せている。
もちろん、IBMのクラウドセンターが提供するパブリッククラウド(SaaS)である「LotusLive」の新しいラインナップが出て、LotusLiveファンや既存のNotesユーザーに新しい選択肢となり、それが、Notesクライアント最新版(8.5.2)から利用できることもあるが、
裏で盛り上がっているのは、
「クライアントソフトがPCにインストールされるのに、それって、”クラウド”って言えるの?」
という疑問である。
この昼休みの1時間で書ける範囲で、「LotusLive Notes」USで公表されている情報と、パブリッククラウドと言えるかどうかを整理したい。
<LotusLive Notesの概要>
導入型のLotus Notes/Dominoの機能のうちの、
・メール (25GB)
・カレンダー&スケジューラー
・アドレス帳(コンタクトリスト)
だけが提供されている。一般的なカテゴリだと「メールのみ」という言い方になるだろう。
また、
・インスタント・メッセージング
が組み込まれている。
価格は
・1ユーザーあたり 5ドル
だ。 個人の携帯電話代が平均6千円/月であることを考えると、その1割程度の金額であり、かつ、メール関連の運用管理の多くを削減できることを考えれば、重要な選択肢となるだろう。
しかし、Notes/Dominoの最大の魅力の一つである
・Notesアプリケーション(Notes データーベース)
は提供されていない。したがって、この新しい選択肢を選ぶ場合は、
手元のNotesクライアントから「LotusLive Notes」のメールと
1.既存の社内サーバーのNotesアプリケーションを利用する (Domino Enterprise Server もしくは、Domino Utility Server)
2.LotusLive EngageなどのLotusLiveのコラボレーション機能を利用する
3.上記1、2の最適なものを組み合わせて利用する
という形になるのだろう。
ちなみに、Notesクライアントではなく、Webでも利用することが出来るが、Notesクライアントでしか利用できない社内アプリケーションの利用 のことを考えれば、NotesクライアントからNotesアプリとWebサービスの両方を統合利用する形をお勧めしたい。
Notesクライアントを利用すれば、利用者はIBMのクラウドセンターか、社内なのかは、それほど意識することなくNotesクライアントからNotesアプリケーションやLotusLiveのサービスを統合利用することができる。
なお、”2”を選ぶ場合に注意が必要なのは、
・ディレクトリとSSO(シングル・サイン・オン)
だ。 確か今年頭のLotusphereで、オンプレミスと「LotusLive」の、ディレクトリを統合利用するセッションがあったと思うが、検討時には確認すべきだろう。
また、
・インスタント・メッセージング(チャット、在席表示、、、)
が組み込まれているが、Lotus Sametimeのように、パソコン同士で音声の会話をしたり、ファイルを直接送りあったりするようなことは出来ない。これらは、やはりLotus Sametimeを導入して、同じようにNotesクライアントから利用するべきだ。
<LotusLive Notesはパブリッククラウドと言えるのか?>
正直に言うと、私はクラウドの定義やクラウドかどうかにはあまり興味がない。
便利なのか?利用する価値があるのか?現実的な導入・利用方法は?
が重要だと考えている。
しかしながら、LotusLive Notesの開発意向表明が出た約1年前から、私に「この形態はクラウドではない!」と議論を持ちかけてくる人が多いので、一方的に私の考えを整理しておく。
この「LotusLive Notes」がクラウドではないと主張する方の言いぶんは、
”クライアントソフトをインストールしなくてはならないものはクラウドではない”
である。
私は、今回のLotusLive Notesを
「Notesクライアントから、IBMクラウドセンターが提供するSaaS形態のDomino(Notesサーバー)メールサービスを利用するもの」
と捉えている。 平たく言えば、
「NotesクライアントからIBMのパブリッククラウドを利用」
という言い方になるだろうか。
Notesクライアントそのものは、クラウドかどうかを語る対象ではない。
しかし、IBMのパブリッククラウドサービスである「LotusLive Notes」はクラウドなのだ。
おっと、今日の昼休みも終わろうとしている。 詳細は以下のリンク先を参照いただきたい。
今後も、モバイルやアプリケーションサービスを拡張していると開発意向表明している。 新しいLotusから目が離せない。
○LotusLive Notesの概要と価格、問い合わせ (日本語)
https://www.lotuslive.com/ja/pricing/notes
○LotusLive Notesの各機能の簡単な紹介(日本語)
https://www.lotuslive.com/ja/services/notes
○LotusLiveのサポート(日本語)
https://www.lotuslive.com/ja/support/
○LotusLive ビジネス・パートナー・プログラムと連携アプリケーション例(日本語)
https://www.lotuslive.com/ja/businesspartners/
○LotusLiveの各サービスの機能比較(トライアル申し込み付、英語)
メール関連 https://www.lotuslive.com/en/compare#overview
情報共有、コラボレーション関連
https://www.lotuslive.com/en/compare#collaboration
Web会議関連 https://www.lotuslive.com/en/compare#meetings
○補足情報 「LotusLive Notes: Open for business! on Ed Brill blog
http://www.edbrill.com/ebrill/edbrill.nsf/dx/lotuslive-notes-open-for-business