「良し悪し」を「よしわるし」と言ってしまう恥ずかしさ
ある説明会で、若い講師が「よしわるし」という言葉を何度か使っていた。 とても違和感があったので、夕食でご一緒させていただいて、酒もかなり入ったときに単刀直入に聞いてみた。
「普通"よしあし"って言うよね、、」
「え?あ、そうですか、おはずかしい」
特にどちらが正しいというわけでもないし、恥ずかしいことでもないのだが、やはり違和感がある。
<なぜ、"よしあし"と言うべきか>
「良し悪し」は、定義や慣例からは「よしあし」と言っても「よしわるし」といっても構わない。
しかし、視聴者側から見て、どちらの場合により違和感を感じないかと考えると「よしあし」と言うべきだろう。
セミナー講師が「そもそも、ものの"よしわるし"がわかっていない」「"よしわるし"を見極めてから、、」と言っていると、この人は言葉を知らないなーと急に薄っぺらい人間に見られてしまう場合が多い。 あくまで、そう感じる人が多いということが重要だ。 スピーカーは視聴者に合わせるべきだからだ。
同様にセミナー講師が「ものの"よしあし"がわかっていない!」「計画の"よしあし"を考えてからアクションするべきである」「よしあしを見極めて行動するように」「よしあしは別として、、、」と言っているほうが自然に聞こえる人が圧倒的に多い。
実践面では、違和感がないかぎり「よしあし」と言うことをお勧めする。
そして、「よしあし」では違和感がある場合は、別な言葉に置き換えて話すべきだろう。
<"よしあし"と"よしわるし"の使い分け>
先に書いたように基本は"よしあし"と言うべきで、不自然な場合は他の言葉に置き換えるべきだが、実は"よしわるし"が正しく、"よしあし"と言わない方がいい場合がある。
使い分けだが、
「良い面、悪い面」という言葉に置き換えられる時には「よしあし」で、「良い面ばかりとは言えないの」に置き換えられる場合に「よし、わるし」のようだ。
「Notesの機能の良し悪し(良い面、悪い面)もわからないくせに」は"よしあし"で、
「仕事をやり過ぎるのも良し悪し(良い面ばかりとは言えないの)だ」は"よしわるし"
となる。
「ものの良し悪しがわかっていない!」をそれぞれ置き換えてみると、
「ものの良い面、悪い面(よしあし)がわかっていない」
「ものの良い面ばかりとは言えないの(よしわるし)がわかっていない」
となり、"よしあし"と言う方が正しいことがわかるだろう。 他の文章でも試してみて欲しい。
考えすぎるという悪(あ)しき習慣が私にはある。 考えすりぎるのも良し悪し(よし、わるし)だろう。 まずは、"よしあし"を基本としよう。
国語の先生がいれば、意見いただけないだろうか。