【実践】生成AIを使ってレポートやプレゼン資料を作る その1
生成AIのおかけで、情報収集や文書作成は、画期的に便利になりました。研修のためのブログ記事や著書の執筆、レポートの作成には大活躍です。最近では、複数のサービスを組み合わせて使うことも少なくありません。例えば、同じプロンプトをChatGPT o3-mini-highとGemini 2.0 Flash、Perplexity Deep Researchに書き込み、それらの結果を比較し、時に組み合わせて、文章を作成することもあります。また、それぞれで書き出された文章を1つのサービスに書き込んで、これらを素材にして、ひとつの文章にまとめるようにすることもあります。言わば、人間が介在する「マルチ・AIエージェント」的な使い方といったところでしょうか(笑)。
プロンプトは、できるだけ自分が知りたいことを丁寧に書くようにしています。例えば、次のようなものです。
ロボティクスについてのレポートをまとめて欲しい。目的は、専門家ではない人たちを対象に、分かりやすく、ロボティックスを説明するためです。
レポート作成に当たっては、以下の内容を盛り込んでください。
- ロボティックスとは何か
- ロボティックスが必要取れる理由
- ロボティックスを実現するための技術や関連する技術
- ヒューマノイド型ロボットの現状と可能性
- ロボティックスで成果をあげられる業者や業界、その利用方法
- ロボティックスの発展における課題と展望
上記以外にも、目的を達するために必要項目があれば、それについても言及してください。
上記プロンプトにて、Google Gemini 1.5 Pro with Deep Researchに作成させた結果はこちらです。
このレベルのレポートが、数分で完成してしまうわけで、従来であれば高いお金を払わなければ手に入れることのできなかった市場や製品、企業や業界の調査レポートは、そこそこのレベルであれば、ほぼ無料とも言える料金で手に入ります。"ほぼ"としたのは、有償サービスを利用するためです。おおよそどのサービスも月額20ドル(約3千円)くらいは払っていますので、完全な無料でありませんが、利用頻度が高く、それなりの完成度を求めるのなら、性能の高い有料サービスを使う必要があり、その価値は十分にあります。
ChatGPT Pro (月額200ドル/約3万円)については、正直二の足を踏んでいます。既に、5〜6つのサービスを有料で使っており、私の仕事の範囲では取りあえず事足りている状況でもあり、この辺りを整理した上で、判断したいと思います。
ところで、こうやって書かせた文章もそのままで納得できるとは限りません。もちろん用途にもよりますが、ここが納得いかないとか、よく分からないとか、記述が曖昧と感じた場合は、徹底して質問を繰り返しながら、レポートの完成度を上げるようにしています。そして、それら質問への回答を組み合わせて、全体の文章を再作成せよと指示します。
そして最後は、人力での仕上げです。自分が設定した目的に照らして、適切な表現なのか、内容が妥当なのかを吟味して、必要とあれば修正を加えます。一般的に生成AIツールは、冗長なところを廃して、できるだけ簡潔にまとめようとします。わかりやすく言えば、ムダのない文章です。しかし、「専門家ではない人たち」が対象ならば、限度もありますが、むしろ冗長な説明をあえて入れた方が分かりやすいこともあります。また、これを読む人がどのような用途で使うだろうかといった利用シーンと想像して、それに即したたとえ話を入れたり、表現や用語の修正を加えたりしていきます。分からなければ、さらに質問して答えを求めることもあります。
また、質問を加味して再作成させる過程で、それ以前の文章や質問への回答で出てきた重要と思われるところが、省略されることもよくあります。これを再び文章に取り入れることやります。
実は、この過程こそが、自分にとっては、最も勉強になります。知らないことを教えてもらえることこともそうですが、過去の知識と照らし合わせて考えてみたたたり、質問を考えたりする過程で、既にある様々な知識とつながっていきます。そこに気付きが生まれ、過去の知識も含めて新たな解釈や理解が生まれていくわけです。文章作成の訓練にもなります。
このようなプロセスがあるからこそ、自分でも使える知識になっていくわけです。生成された文章をそのまま使うのは、「楽ができる」というメリットはあります。もちろん、用途によってはそれでもいい場合もありますが、それだけでは、自分のものにはなりません。だからこそ、生成された文章を熟読し、考察し、修正を加えていくとい手間をかけることで、自分の知識に織り込むことができるのです。
さて、こうやって作成した文章をチャート/図表にまとめるにはどうすればいいのでしょうか。そのあたりについては、もう一工夫必要です。これについては、明日以降、紹介致します。
【図解】これ1枚でわかる最新ITトレンド・改訂第5版
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生成AIを使えば、業務の効率爆上がり?
このソフトウェアを導入すれば、DXができる?
・・・そんな都合のいい「魔法の杖」はありません。
神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO
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八ヶ岳南麓・山梨県北杜市大泉町、標高1000mの広葉樹の森の中にコワーキングプレイスがオープンしました。WiFiや電源、文房具類など、働くための機材や備品、お茶やコーヒー、お茶菓子などを用意してお待ちしています。
8MATOのご紹介は、こちらをご覧下さい。