【図解】コレ1枚でわかる自己注意機構
前回、トランスフォーマーについて述べましたが「自己注意機構」は、トランスフォーマーの中核をなす技術でもあり、少し詳しく解説します。
この仕組みは、入力された文章中のあるトークンが他のトークンと、どの程度の「関連性」があるかを調べて、文章の理解や生成に役立てるものです。例えば、「彼女はそのニュースを聞いて驚いたが、すぐに落ち着いた」という文があるとします。自己注意機構は、「驚いた」が「ニュース」と強く関連していること、また、「彼女」、「驚いた」、「落ち着いた」に強い関係があることを見つけ、「彼女」が「驚いた」理由と「落ち着いた」状況を結びつけます。
自己注意機構が登場する以前は、前のトークンから次のトークンを予測することしかできませんでした。自己注意機構によって、文章全体のトークン間の関係を把握できるようになり、特定のトークンがどのような文脈で使われているのかを正確に理解できるようになりました。この文脈理解によって、精度の高い自然言語処理を実現しています。また、従来の自然言語処理は逐次処理しかできなかったのですが、自己注意機構は並列処理が可能なので、従来に比べて高速に処理することができるようになり、大規模なデータを扱えるようになったことも、性能の向上に役立っています。
このような特徴を活かし、以下のような用途で使われています。
- 機械翻訳: 高精度な翻訳を実現
- テキスト要約: 長文を短く、意味を保ちながら要約
- 質問応答: 自然な文章で質問に回答
- テキスト生成: 詩、小説、ニュース記事など様々な文章を自動生成
- 音声認識: 音声をテキストに変換
自己注意機構は、より複雑な文脈が理解できるようにと開発がすすめられており、適用範囲も実用性も、さらに向上していくでしょう。
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