【図解】コレ1枚でわかるトランスフォーマー
トランスフォーマー(Transformer)は、2017 年に Google によって発表された 「Attention is All You Need」という論文で初めて紹介された自然言語処理(人間が 使う言語を処理する技術/ NLP:Natural Language Prosecting)のためのニュー ラル・ネットワーク・モデルの作り方/考え方です。従来、NLP で使われていたやり方とは異なり、高速かつ効率的な学習ができるようになりました。
トランスフォーマーは、「次に出てくる言葉を予測する AI」ということもできます。 これを実現するために、億単位の Web ページを見て、ある単語の次に人間が書きそう だと予測される単語をつなぎ合わせ、自然で流暢な表現になるように文章を生成します。
簡便的に " 単語 " と記しましたが、正確には " トークン " と呼びます。単語または区分できる文字のまとまりのことです(以下では " トークン " を使います)。 たとえば、「犬がボールを追いかけている」という文章があるとしましょう。まずは、 この文章をトークンに分解します。その時、ある単語が他のトークンとどれほど関連し ているかを計算します。このしくみを「注意機構(Attention Mechanism)」と呼び ます。
「関連性」は、トークン間の類似性や位置関係などを考慮して計算されます。これは、 文章全体から文脈を読みとっていると言えるでしょう。こうして、あるトークンが出現した時に、続く次のトークンの出現確率を、文脈を考慮し予測して確率が高い順につなげて文章を生成します。
ちなみに、注意機構にはいくつかのバリエーションがあり、ト ランスフォーマーでは、自己注意機構(Self-attention Mechanism)が使われてい ます。トランスフォーマーは、そんな自己注意機構を使って流暢な表現の文章を生成します。ただ、論理性や意味を理解しているわけではありません。文脈を考慮しつつ、自然で流暢な表現になるようにトークンをつないでいるだけです。
そんなトークン間の「関係性」 をテーブル(表)にまとめ、これを使って、翻訳、テキスト要約、質問応答など、さまざまな自然言語処理を実現しています。
トランスフォーマーは、自然言語処理だけでなく、画像や動画、音声などの認識や生成での利用も進んでいます。さらに、学習させるデータを大規模化して性能を高める取り組みも進んでいます。
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