デザインコンセプトは　"モダン神社"

» 2021/06/07

八ヶ岳南麓ですすめる森の仕事場のアートディレクターをお願いしている杉本誠さんから素敵なデザインコンセプトの提案がありました。「神社の森のモダンITワーク・プレイス」を標榜するにふさわしいコンセプトです。神社の写真とともに、紹介させて頂きます。

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神社をコンセプトに掲げた理由は、その建設予定地である高台の森が「八雲神社」に隣接し、あたかも敷地の一角に神社があるような稀有なロケーションであることです。

もちろん、この土地の大先輩であるお隣さんの神社を敬い配慮した開発は、大前提ではありましたが、そんな類まれな立地であるならば、単なる配慮ではなくもう一歩進めて積極的に神社とつながるプランこそが、神聖な森との親和性もあり、ふさわしいと考えます。

さらに、もうひとつの理由として、本来神社が担っていた役割が、プロジェクトの目指すところと大いに重なると感じたからです。

神社は氏子を中心にした地域コミュニティーにとって「聖なる空間であるとともに、多面的な価値を持った地域を支える社会的な装置」でした。さらに、建築に当時の最新技術が用いられ、参拝者向けの商品やグルメは新たな流行として発信されるなど、時代の最先端をいく文化や技術の中心地、集積地という役割までに担っていたところまでもあました。

そういった神社のソーシャルキャピタル的な面は、単に「仕事のできるキャップ場」としての場所を提供するだけではなく、様々な研修プログラムを提供し、新しいビジネスを生みだそうとする人たちのプラットフォームとなる施設を、そして、そこに地域の人たちとの共存・協力体制も築いていきたいという企画意図に見事に合致します。

企画を視覚化する際に、神社特有の建築を始めとした様式美は非常に洗練されていて象徴的です。それを施設全体のデザインコンセプトとすることによって、企画コンセプトを表現し、メッセージを具現化したデザインになります。

ただ、それをそのまま取り入れるだけでは宗教色が強すぎてプロジェクトにはふさわしくありません。エッセンスをうまく抽出し、モダナイズして現代のスタイリッシュなデザインとミックスすることではじめて現代の用途に適したものとなります。それがデザインコンセプトの"モダン神社"です。

神社との一体感は地域にも受け入れられやすく、将来的には神社・地域とも連携した「お祭り」や「マルシェ」などといった活用も期待できます。また「神社」と「モダンITワークプレイス」という一見意外な組み合わせ自体もインパクトがあり、マーケティング面でも大いに有効であると考えます。