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「3密」がプレミアムになる時代

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去年の4月以降、講義や講演は全てオンラインになった。最初の緊急事態宣言が発出された直後は、お客様が、オンラインでの開催や、ZoomTeamsなどツールへの不慣れもあり、予定されていた講義や講演が、ほぼほぼ中止か先延ばしになり、一気に暇になってしまった。このままの状況が続けば、この先、自分の仕事がどうなってしまうのだろうかと不安に感じていた。

しかし、6月くらいになって、みんな馴れてきたのであろう。また、腹をくくったのかも知れない。「オンライン前提」でお願いしますとのご依頼が急増し、2ヶ月間の先延ばし分も含めて詰め込まれ、かなりタイトなスケジュールとなり、結局は、前年と変わらない、回数をこなすことになった。

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コロナ禍が始まる前から、ITソリューション塾は、会場とZoomでのハイブリッド開催だったし、打ち合わせでも可能な限り、オンラインでの実施をお願いしていたので、こちらとしては、不安も苦労もなかった。しかし、講義を受ける側の環境や心構えの準備ができていなかったことで、2ヶ月という空白が生まれてしまった。

しかし、実に社会の適応は早い。「社会的免疫」が、短期間に作られ、抗体が機能しはじめたと言うことなのだろう。ZoomTeamsは、抗体を作るワクチンのような役割を果たしてくれた。しかも、オンラインが日常になったことで、このワクチンの機能や性能も、驚くほどの短期間で、改善、向上していった。1年経った現在は、そのスピードも緩やかになった気はするが、それでも日々改善が続いている。

当初、機能が古くさく使い勝手が悪かったので、可能な限りお断りしていたWebEXを先日久しぶりに使ったら、なんとUIが、ほとんどZoom風になっていた。普段は、Zoom8割、Teams2割の私ではあるが、まったく違和感なく使うことができた。もはや、講義や講演は、オンラインで、何も困らない時代になったようだ。

ただ、このワクチンの副反応はかなり大きい。ディスプレイを2台追加購入し、カメラやマイクも、高性能なモノを何台か購入。ATEM miniもやって来た。回線も、高速なサービスに変更した。おかけで、お財布には、それなりの後遺症が残ってしまった。

講義や講演の仕様もオンラインに合わせて、かなりアップデートした。こちらに記事を書いたので、よろしければ、ご覧頂きたい。

ただ、改めて課題も見えてきた。それは、受講者同士の身体を動かす共同作業やその場での何気ない会話ができないことだ。丁寧に理を尽くして説明しなければ、うまくお互いを理解し合えないという見えない壁が、立ちはだかってしまう。

一方的に話す講演ならば、sli.doなどの質疑応答ツールで、補うこともできるが、アイデアを出し合い、何かをまとめてゆくような、ワークショップが伴う場合は、なかなか盛り上がらない。工夫はしているが、やはり限界がある。

口角泡を飛ばして議論する、ちょっと思いついたことを口にする、机の上に拡げた模造紙に一緒になって書き込む、キーワードを書き込んだポストイットに張り出し「ああでもない、こうでもない」と張り替えながらアイデアをまとめてゆく。そんな作業が、一切できないことで、改めて、「3密」が、どれほどプレミアムであるかを実感している。

あるIT企業の開発合宿の成果について、話しを聞いたところ、オンラインで数週間決まらなかったことが、久しぶりの合宿で、あっという間に決まって、一気に進捗したという。また、チームメンバーの人となりに触れて感じて、信頼感を醸成でき、チームとしての結束が固まったという。

ちょっとしたことを気楽に話したり、雑談したり、画面を覗き合ったりという、一見ムダなような行為が、クリエイティビティと生産性、そしてチームビルディングに大きく寄与している好例であろう。

ワクチンの接種が広がれば、「3密」禁止令もなくなるであろうが、講義や講演について言えば、元のスタイルに戻ることはないだろう。会議室を手配する手間や費用のムダ、参加するための移動のムダ、「ながら」もできる効率など、オンラインの恩恵を感じている人は多い。合わせて、コロナ禍のおかけで、そのための環境やツールも整備されたことで、多くの講義や講演は、オンラインでも支障がなくなった。

一方で、クリエイティビティと生産性、チームビルディングと言う観点からは、「3密」が効果的であることも実感した。また、人と人が出会い、繫がりを育む懇親会やネットワーキングも「3密」が、不可欠だ。その繫がりから、どれほど助けられ、いろいろと気付かされてきたかは、私自身の体験からも、実感している。

コロナ禍が収まった後は、オンラインとオフラインが、目的や内容に応じて、組み合わせてゆくことが、当たり前になるだろう。特に、オフラインでの「3密」は、プレミアムになる。最高の「3密」を提供するために、内容も場所も環境も、要求水準が高まるに違いない。

世の中は、ハイブリッド・ワークの時代に向かいつつある。講義や講演も、それに合わせて、最ハイブリッドを前提に適化を求められるに違いない。

いま私が取り組んでいる、森の仕事場も、そんな時代にふさわしいところにしたいと思っている。

新入社員のための 「最新ITトレンド・1日研修」

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今年は、例年開催していました「最新ITトレンド・1日研修」に加え、「ソリューション営業の基本と実践・1日研修」を追加しました。

また、新入社員以外の方についても、参加費用を大幅に引き下げ(41,800円->20,000円・共に税込み)、参加しやすくしました。

どうぞ、ご検討ください。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

4月度のコンテンツを更新しました】

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・「AIとロボット」を「AIとデータ」に変更し、データについてのプレゼンテーションを充実させました。

・戦略編をDXとそれ以外の内容に分割しました。

・開発と運用に、新しいコンテンツを追加しました

・テクノロジー・トピックスのRPA/ローコード開発、量子コンピュータ、ブロックチェーンを刷新しました。

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研修パッケージ

・総集編 20214月版・最新の資料を反映

DX基礎編 改訂

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ビジネス戦略編・DX

  • 【新規】データとUXとサービス p.17
  • 【新規】デジタル×データ×AI が支える存続と成長のプロセス p.68
  • 【新規】DXとは圧倒的なスピードを手に入れること p.72
  • 【新規】IT企業とデジタル企業 p.155

サービス&アプリケーション・先進技術編/AIとデータ

  • 【新規】データの価値 p.129
  • 【新規】情報とビジネスインテリジェンス・プロセス p.130
  • 【新規】アナリティクス・プロセス p.131
  • 【新規】データ尺度の統計学的分類 p.135
  • 【新規】機械学習とデータサイエンス p.136
  • 【新規】アナリティクスとビジネス・インテリジェンス p.137
  • 【新規】ビジネス・インテリジェンスの適用とツール p.138
  • 【新規】アナリティクスのプロセス p.139
  • 【新規】ETL p.140
  • 【新規】データウェアハウス DWH Data Warehouse p.141
  • 【新規】データウェアハウス(DWH)とデータマート(DM) p.142

*「AIとロボット」から「AIとデータ」に変更しました。

開発と運用編

  • 【新規】クラウドの普及による責任区分の変化 p.25
  • 【新規】開発と運用 現状 p.26
  • 【新規】開発と運用 これから p.27
  • 【新規】DevOpsの全体像 p.28
  • 【新規】気付きからプロダクトに至る全体プロセス p.29
  • 【新規】アジャイル開発のプロセス p.37
  • 【新規】アジャイル開発の進め方 p.39

*ローコード開発については、RPAの資料と合わせてひとつにまとめました。

テクノロジー・トピックス編

  • 【改訂】ブロックチェーン、量子コンピュータの資料を刷新しました。
  • 【改訂】RPAとローコード開発を組合せた新たな資料を作りました。

下記につきましては、変更はありません。

  • ITインフラとプラットフォーム編
  • クラウド・コンピューティング編
  • ITの歴史と最新のトレンド編
  • サービス&アプリケーション・基本編
  • サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT

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