不便を楽しむ
1.立木を切り倒す。
2.薪の長さに合わせて、玉切り(丸太を輪切り)する。ちなみに我が家では35cm。
3.玉切りした玉割り(丸太を縦に割る)して薪にする。
4.割った薪を野積みして乾燥させる。期間は一般的には1年程度。ただし、地域によってこの期間は変わり、比較的乾燥している我が家のある八ヶ岳南麓では、半年程度でも使えるようになる。ちなみに、割った直後の薪の水分含有率は40%前後、これを20%以下、できれば15%程度に乾燥させる。
5.薪を積み替える。一般的に、乾燥させるときには、隙間を大きく積み上げるが、乾燥した後は、密に積み重ねて、限られた薪棚を有効に使う。
6.乾燥した薪をさらに細く縦割りにして焚き付けにする。着火剤としては、乾燥した松ぼっくりを使うこともある。地面に落ちれば直ぐに乾燥し、適度に油分があるので直ぐに火がつく、天然の着火剤になる。
ざっとこんな手順で、1年以上を掛けて使える薪になる。
1〜4を業者に頼んで、十分に乾燥した薪を届けてもらうこともできるが、それでは、相当のお金もかかるし、なによりも楽しくない。また、4の着火剤も売ってはいるのだが、それでは風情がない。1から作業してこそ、薪ストーブの醍醐味であろうと思う。
参考までに、冬を薪ストーブだけで過ごす場合、4トンほどを消費する。家の日当たりだとか、気密性にもよるので、最近の住宅ではもっと少なくてすむかもしれない。
ところで、乾燥させずに燃やすことはできるのかということを聞かれることがあるが、結論から言えばそれは可能だ。ただし、いろいろと問題がある。
まず、十分に乾燥した薪を用意して、これをしっかりと燃やし、真っ赤な炭になるほどにした火床を作る。ここに乾燥していない薪を入れてやれば、燃やすことはできるだろう。
ただし、これはかなり効率が悪い。薪の木質分、つまりセルロースを気化させ可燃性ガスにして燃やすわけだが、その前に薪に含まれている水分を蒸発させてやる必要がある。これに相当のカロリーが消費されるため、なかなか暖かくならない。加えて、気化された可燃性ガスが、十分に熱くならず、つまり燃えることなく水分(水蒸気)とともに煙突から排出されてしまう。それが微粒子の粉塵となって大気を汚染することになる。北欧では、水分含有量20%以下の薪を売ってはいけないという法律があるくらいだ。
また、ストーブを傷める。可燃物の粒子がストーブや煙突に付着して、空気の対流を阻害し、部品の金属類を痛めることになる。
基本的に、いまの薪ストーブは、クリーンバーン方式と言って、薪が熱せられて気化した可燃性のガスは、ほぼ100%燃焼させることができるように作られている。つまり、薪が燃えると同時、気化した可燃性ガスをさらに再び窯に環流させ、燃やし尽くす。2次燃焼というが、中には3次燃焼とかを考えて作られているストーブもある。それらは、ファンを回すといった電気に頼るものもあるが、そういう姑息な手段を使わずに、空気循環を徹底してシミュレーションして、自然の対流だけでこれができるように構造を工夫したものや、触媒を使うやり方が一般的だ。
薪ストーブというと、煙突からの白い煙を想像する人もいるだろうが、クリーンバーン方式の薪ストーブは、まったく煙が出ない。着火時、まだストーブの窯が十分に熱くならず、2次燃焼や3次燃焼が機能しないときに、一時的に煙は出るが、定常燃焼になると、煙はまったく出ない。煙突のまわりを、目をこらしてみると、熱でまわりがゆがんで見える程度だ。
薪ストーブは乾燥するとか、直ぐに温まらないとか、まあ、いろいろとご批判もあろう。しかし、ヤカンやスチーマを載せておけば、相当の水分が発散される。直ぐに温まらないなら厚着で待てば良い。温まった後の陽だまりのような暖かさと、揺らめく炎のことを思えば、そんなことはたいしたことはない。なによりも、薪作りから始まる、不便を楽しむ時間こそ、薪ストーブの醍醐味であろう。
もちろん、いま作ろうとしている森の仕事場には、薪ストーブは必須のアイテムだ。
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