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DXは予測できる未来と予測できない未来に同時に向きあうための取り組み

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IoTやモバイル、Webなどのデジタルとの接点を介して、アナログな現実世界のものごとやできごとは、データとしてリアルタイムに捉えられるようになりました。ビジネス・プロセスを徹底してデジタル化すれば、あらゆる社内の情報資産や仕事の進捗もデータとしてリアルタイムに捉えられるようになります。AIは、このデータを使って未来を予測し、どうすればうまくいくのかを教えてくれます。

一方で、「不確実性」の増大は、このようなデータに基づく確率分布からは、未来を予測できないということでもあります。データを駆使してAIが確率的に妥当な未来を予測したとしても、そうなる保証がないということです。

この相反する現実が混在するのが、いまのビジネス環境です。では、この現実にどう向きあえばいいのでしょうか。

日々のオペレーショナルな業務は、前者を最大限に活かして徹底して自動化することで、ビジネス・スピードを加速することができます。また、知的力仕事、すなわちパターン化された知的労働から人間を解放することができます。つまり、デジタルにできることは徹底してデジタルに任せ、人間にしかできないことに、人間は、意識や時間を集中できるようにすることです。

  • 文学的表現を駆使して創作した報告書
  • 時間を決めて同じ場所に集まらなければならない会議
  • 必要な理由を誰も説明できない書類や手続きといった仕事など

このような知的力仕事が、どれほど人間の創造性と付加価値の創出の妨げになっているかを、コロナ禍は気付かせてくれました。改めて、人間にしかできないことの大切さを実感したはずです。

一方で、予測できない未来に対しては、様々な可能性を試行錯誤し、高速に現場からのフィードバックを得て、改善を繰り返し、その時々の最適解を探し続けることです。

この2つの取り組みを同時に追求することが、唯一の解決策と言えるでしょう。

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後者ができるのは、人間の想像力であり、好奇心であり、覚悟です。確率論で決まるものでもなければ、成功の方程式が予め用意されているわけではありません。AIがその答えを教えてくれることもありません。

機械が与えてくれるデータからのインサイト(示唆や洞察)、デジタル技術の発展、磨かれた人間の感性と暗黙知から新しい組合せを見つけ出すこと、すなわちイノベーションを生みだすことは、人間にしかできません。

そんなイノベーションは、ビジネスに新たなテーマを生みだします。それを日々のオペレーショナルな業務として、実装するというサイクルを実現します。

そんなイノベーションを生みだすには、自由に意見を交わせる職場環境も必要です。失敗を許容する企業の風土や文化、企業と社員との信頼に支えられた自律したチームに権限を委譲し、彼らの自発的な試行錯誤を支えなくてはなりません。

現場にいる人たちであればこそ、変化をいち早く感じ取ることができます。そんな彼らが、自分たちの感性と暗黙知を駆使し、新しい組合せを生み出し、試してみることです。それができる職場環境がなくては、不確実な世の中を乗り切るためのイノベーションを生みだすことはできません。

日々の業務にあっては、徹底してデジタル技術を駆使してスピードを上げ、予測不可能な未来に対処するために、人間はイノベーションの創出に意識や時間を傾け、変化に俊敏に対処する。そんなことができる企業の文化や風土へと変革することが、DXの目指す「あるべき姿」と言えるでしょう。

【募集開始】ITソリューション塾・第36期 2月10日開講

2月から始まる第36では、DXの実践にフォーカスし、さらに内容をブラッシュアップします。実践の当事者たちを講師に招き、そのノウハウを教えて頂こうと思います。

DXの実践で成果をあげる戦略スタッフサービスの戸田孝一郎氏、日本マイクロソフトでお客様のDX実践を支援する吉田雄哉氏、同じく日本マイクロソフトのCSOである河野省二氏、そして、その他のDX実践にユーザーの立場で、DXグランプリ2020を受賞されたトラスコ中山の数見篤氏(取締役・経営管理本部長兼デジタル戦略本部長)にも、その実践のノウハウを語っていただきます

DXの実践に取り組む事業会社の皆さん、ITベンダーやSI事業者で、お客様のDXの実践に貢献しようとしている皆さんに、教養を越えた実践を学ぶ機会にして頂ければと準備しています。

コロナ禍の終息が見込めない状況の中、オンラインのみでの開催となりますが、オンラインならではの工夫もこらしながら、全国からご参加頂けるように、準備しています。

デジタルを使う時代から、デジタルを前提とする時代へと大きく変わりつつあるいま、デジタルの常識をアップデートする機会として、是非ともご参加下さい。

詳しくはこちらをご覧下さい。

  • 日程 :初回2021210()~最終回428() 毎週18:3020:30
  • 回数 :全10回+特別補講
  • 定員 :120
  • 会場 :オンライン(ライブと録画)
  • 料金 :¥90,000- (税込み¥99,000

全期間の参加費と資料・教材を含む

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【1月度のコンテンツを更新しました】
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・DXについてのプレゼンを充実しました
・ゼロトラスト・ネットワークについてのプレゼンを改訂しました
・コンテナとKubernetesについてのプレゼンを分かりやすくしました
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研修パッケージ
・総集編 2021年1月版・最新の資料を反映
・DXの基礎を最新版に改訂
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ビジネス戦略編
【新規】クラウド・サービスなどで使われる料金制度 p.17
【新規】プラットフォーマーと言われる企業の略称 p.18
【改訂】時計の速さと時代の変化 p.78
【新規】ソフトウエア・ファーストの必然性 p.79
【新規】DXとイノベーション p.84
【新規】デジタル・トランスフォーメーションのBefore/After p.194
【新規】共創の実践サイクル p.195
【新規】「共創」の目的 p.196
【新規】コロナ禍後を見据えた3つの変革施策 p.216
【新規】お客様のDXに貢献するためにやるべきこと p.217
【新規】DXを実践するとはどういうことか p.218
サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】AIマップ・AI研究は多様 フロンティアは広大 p.21
【新規】AIマップ・AI研究の現在 p.22
開発と運用編
【新規】ウォーターフォールとアジャイル についてのパッケージを追加 p.55-61
ITインフラとプラットフォーム編
【改訂】サーバー仮想化 p.106
【改訂】サーバー仮想化とコンテナ p.107
【改訂】仮想マシンとコンテナの稼働効率 p.108
【改訂】コンテナのモビリティ p.109
【新規】コンテナ・オーケストレーションとは p.110
【新規】Dockerとkubernetes p.111
【新規】モビリティの高いコンテナ p.112
【新規】セキュリティの考え方の変化・境界防衛モデルp.120
【新規】セキュリティの考え方の変化・境界防衛モデルの破堤 p.121
【新規】セキュリティの考え方の変化・ゼロトラストモデル p.122
【新規】境界防衛モデルとゼロトラスト・モデル p.123
【新規】セキュリティの考え方の変化・ゼロトラストモデル p.124
【新規】ゼロトラストによる安全なシステム設計 p.126
【新規】ゼロトラスト・アーキテクチャーの7原則 p.127
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】向上でのデジタル・ツイン p.27
【新規】データの種類と取得方法 p.60
【新規】データ取得のためのプロセス設計 p.61
【新規】データ活用の前提はData Virtuous Cycle を実装すること p.62
クラウド・コンピューティング編
【新規】政府共通プラットフォーム/政府共通ネットワーク p.35
下記につきましては、変更はありません。
・ITの歴史と最新のトレンド編
・テクノロジー・トピックス編
・サービス&アプリケーション・基本編
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