オンラインでの会議や講演をパワーアップするたった3つのこと
先日、あるオンライン・イベントに登壇したときのことです。同じイベントはなされた方の顔が上半分しかなく、しかも暗くて表情が見えませんでした。しかも、くぐもった声。見るからに安っぽいイヤホン・マイクを使い、カメラも古いノートパソコンの解像度の低いカメラを、そのまま使っていらっしゃるようでした。せっかくの良い話しなのに魅力半減(いや、魅力2/3減)でした。
オフラインをそのままに、オンラインで講演しても、うまくはいきません。「会場」が違うのですから、それに合わせた心配りが必要です。さらに残念に思ったのは、事務局の皆さんです。事前の打ち合わせで、後ろの明るい白い壁を背景に解像度の低いノートパソコンのカメラで写した真っ暗な顔とイヤホン・マイクの聞き取りにくい声が、印象を悪くしていました。その点を指摘したところ、司会をされるときにカメラをオフにして対応をされていました。お客様に対して礼に失しているとの印象は、なんとも残念でした。司会者もまた出演者であるという自覚を持って臨んで欲しいと思いました。
講演を聞かれる皆さんにどう見られるのかの想像力の欠如が、このような行為に及んだのだろうと思います。経験が少ないからというのもあるでしょう。しかし、もはやオンラインでの講演は、デファクトの時代です。Excelが使えませんとか、電子メールが使えませんの類です。講演をすることがなくても、オンラインでの打合せは、誰もの日常です。これもまた、いまのITリテラシーであると、心得るべきでしょう。
では、何をどうすればいいのでしょうか。次の3点を心がければ、オンラインでの講演や会議で、簡単に印象アップが図れます。
1.マイクの音質をアップ
オンラインでの講演でも会議でも、何よりも重視すべきは音質です。イヤホン・マイクも安物ではなく、音質のしっかりしたものを購入されることをお勧めします。講演を頻繁にされるのであれば、是非とも性能に優れたコンデンサーマイクやピンマイクを使われるべきでしよう。
もちろん画質も大切ですが、会議や講演は音声での情報がそれ以上に重要で、明瞭に聞こえるか否かで情報伝達の効率も印象も大きく変わります。その点をまずは、意識されるといいと思います。
2.顔を明るく鮮明に
会議でも講演でも、ぜひ参加者は顔出しでご参加頂きたいと思っています。散らかった部屋を見せたくないと言う方もいらっしゃるかも知れませんが、ならばバーチャル背景を使ってください。こちらの話しにどう反応するのかを見ながら、こちらの話しも変化させるというのは、コミュニケーションを円滑に進めるための前提です。顔が見えない相手への話しは、なかなかのストレスです。そういう話者への気遣いも大切だろうと思います。
また、話者も聞き手も、自分がどう見えているかを想像すべきです。頭半分で、顔が暗くて見えない相手というのは、本当にストレスです。ノートパソコンのカメラを使うにしても、顔全体が写るようにディスプレイの角度を調整すること、また、解像度の低いカメラしか搭載されてないノートパソコンなら、USB接続のHDカメラを外付けで用意されることをおすすめします。安いモノなら2,000円程度から購入できます。少し高級なものであれば、高音質のマイクが内蔵されているものもあります。
さらに、顔の照明にも気を使いましょう。撮影用ライトがあれば完璧ですが、デスクライトを顔に向けるだけでも十分です。明るい窓辺に行って、顔が明るくなる場所で講演や会議に参加してもいいでしょう。
撮影用ライトも上を見ればキリがありませんが、小型で持ち運びができ、ノートパソコンのディスプレイに載せられるものもあり、2000円程度で購入できます。
これもまた、オンライン講演や会議での最低限のマナーと心得るべきです。
3.資料はプレゼンテーション・モードで表示する
編集用画面でプレゼンテーションをされる方がいらっしゃいます。これは、とても見づらく、大変ストレスです。プレゼンテーション・モードにすると、パソコンの全画面が占有されて会議システムの画面が操作できないからという方もいらっしゃいます。そういう場合、パワポであれば、「スライドショーの設定」で「出席者として閲覧する(ウインドウ表示)」を選択しておけば、画面を占有されることはありません。
ただ、スライドショーの次のページが表示されません。そういう場合は、外部ディスプレイを使いましょう。持ち運び可能な10インチ程度の小さなものであれば、10,000円程度から入手できますし、MacとiPadをお使いであれば、Side Car モードでiPadをサブディスプレイとして使えます。
他にもいろいろとノウハウはありますが、まずは最低限、この程度のことに気を使えば、オンラインでの講演や会議は、とてもカッコよくなります。
わずかな投資で、仕事のパフォーマンス・アップができれば、直ぐに元が取れるというものです。