オルタナティブ・ブログ > ITソリューション塾 >

最新ITトレンドとビジネス戦略をわかりやすくお伝えします!

これからのITという双眼鏡を手に入れれば人生やビジネスの選択肢が拡がる

»

歴史を振り返れば、変化のなかった時代などありませんでした。その変化を見極め、その波をうまく乗り継いできた人たちが生き残ってきたのです。

スクリーンショット 2020-08-06 6.14.35.png

ITが世の中の常識を大きく変化させた歴史的事実は、たとえば次のようなことです。

  • 1960年代〜:コンピューターの商用利用により大規模な計算業務やルーチンワークが大幅に効率化・自動化される。これにより単純な肉体労働は、機械に置き換わり、それを活用し管理するサービスへと人間の役割はシフトした。
  • 1980年代〜:メインフレームやホスト・コンピューターと言われる大型コンピューターの時代からミニコン、オフコン、パソコンといった小型コンピューターへと移行し、利用者の裾野が拡大する。これによりITの適用領域は大きく拡がり、ITを基盤とした社会基盤や事業基盤が築かれてゆく。
  • 1990年代〜:インターネットの登場により地域や企業を超えたビジネスや人のつながり、協調・連携ができるようになる。これにより、私たちの日常や社会は編み目のようにつながり、世界はフラットに、そしてオープンになり、新たな社会秩序やビジネスの常識を生みだした。

このようにITはそれぞれの時代の常識を変えてきました。2000年代に入ると、ITが常識を変える出来事が幾重にも折り重なり、爆発的な変化を生みだしています。たとえば、次のようなことです。

  • ITの「使い方」が変わる:クラウドの登場によりコンピューターの購入やシステムの開発といった手段に大金を払うことなく、様々なビジネス価値をサービスとして直接を手に入れることができるようになった。
  • ITの「所在」が変わる:スマートフォンや家電製品、自動車や住宅などにセンサーやコンピューターが組み込まれ、それらがインターネットとつながり、現実世界のあらゆる出来事がデジタル・データとして捉えられるようになろうとしている。また、インターネットの先には数百万台とも言われコンピューターが「クラウド」として存在し、私たちの日常やビジネスと深く関わっている。
  • ITにより「人間の役割」が変わる:人工知能やロボットの進化は、「人間にしかできなかったこと」を機械に置き換え、「人間にはできなかったこと」を実現してくれる。人間は、これまでの役割を失い、新たな役割を果たしてゆかなければならない。

このような出来事が同時進行で起こり、しかも爆発的なスピードで変化しているのです。その理由は、クラウドやインターネットの普及による「失敗コストの激減」と「オープン化」です。

安いコストでコンピューターやネットワークを使えることで「失敗コスト」が激減し、失敗を恐れずに試行錯誤を繰り返すことができるようになりました。失敗の数が増えれば、成功の実数は増えてゆきます。また、「オープン」にデータやソフトウェアが共有される時代となり、他人の経験や知恵を利用してさらにそれを積み上げてゆくことができます。この2つの相乗効果により、イノベーション、すなわちこれまでに無かった新しい組合せが常識を大きく変えてしまう出来事が起こりやすくなりました。それが、いまの爆発的な変化を生みだし、常識を変える原動力となっています。

もちろん、そんなイノベーションを支えるテクノロジーは、いつの時代も、そこにニーズがあるから世の中に受け入れられ、定着してきました。これまでに無かったまったく新しいテクノロジーが登場しても、時代のニーズに受け入れられなければ、やがては忘れ去られてゆきます。ですから、いま話題のITの言葉やその周辺で起こっている出来事を理解しようと思うなら、それがどういうニーズと結びついているのかを考え、見極めるように努めることです。そうすれば、その意味や価値を理解できるはずです。

さらに、自分たちの直面する現実の課題やニーズと結びつけ、さて、これを解決できる最適なテクノロジーはどれだろうかと研究してみることです。そんな視点を持つことが、ITの価値を見極めるセンスを育みます。

変化はこれからも続きます。これに向き合い続けるためには、立ち止まることなく、時代のニーズとITとの係わり方を模索し、試行錯誤を繰り返すことです。

ITとビジネス、ITと日常は、もはや切り離して考えることはできません。ならば、ITの行く末を見定め、それを先取りすることが、ビジネスや人生の選択肢を増やし、その判断を確かなものにする術となります。

過去のITやいまのITという視野でしか見通せない世界と、これからのITという双眼鏡を手に入れ、さらに広い視野で世界を見渡してみれば、自ずと豊かな気持ちと自信を持つことができるはずです。

【募集開始】第35期 ITソリューション塾

オンライン(ライブと録画)でもご参加いただけます。

ITソリューション塾・第35期(10月7日開講)の募集を開始しました。

新型コロナ・ウイルスは、肺に感染するよりも多くの人の意識に感染し、私たちの考え方や行動を変えつつあります。パンデミックが終息しても、元には戻ることはありません。私たちの日常は大きく変わり、働き方もビジネスも変わってしまうでしょう。これまでの正解は、これからの正解と同じではありません。ならば、事業戦略も求められるスキルも変わらざるを得えません。

本塾では、そんな「これから」のITやビジネスのトレンドを考え、分かりやすく整理してゆこうと思います。

特別講師

この塾では、知識だけではなく実践ノウハウについても学んで頂くために、現場の実践者である下記の特別講師をお招きしています。

=====

  • アジャイル開発とDevOpsの実践
    • 戦略スタッフ・サービス 代表取締役 戸田孝一郎 氏
  • 日本のIT産業のマーケティングの現状と"近"未来
    • シンフォニーマーケティング 代表取締役 庭山一郎 氏
  • ゼロトラスト・ネットワーク・セキュリティとビジネス戦略
    • 日本マイクロソフト CSO  河野省二

=====

  • 日程 初回・2020年10月7日(水)~最終回・12月16日(水)
  • 毎週18:30~20:30
  • 回数 全10回+特別補講
  • 定員 100名
  • 会場 オンライン(ライブと録画)および、会場(東京・市ヶ谷)
  • 料金 ¥90,000- (税込み¥99,000)
    • PCやスマホからオンラインでライブ&動画にて、ご参加頂けます。
    • 資料・教材(パワーポイント)はロイヤリティフリーにて差し上げます。

詳しくは、こちらをご覧下さい。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【8月度のコンテンツを更新しました】
======
新規プレゼンテーション・パッケージを充実させました!
・「新入社員研修のための最新ITトレンド研修」の改訂
・そのまま使えるDXに関連した事業会社向け講義パッケージを追加 
・ローコード開発についてのプレゼンテーションを充実
・ITソリューション塾・第34期のプレゼンテーションと講義動画を改訂
======
新入社員研修
【改訂】新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス・8月版
講義・研修パッケージ
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとこれからのビジネス*講義時間:2時間程度
> 自動車関連製造業向けの研修パッケージ
======
【改訂】総集編 2020年8月版・最新の資料を反映(2部構成)。
【改訂】ITソリューション塾・プレゼンテーションと講義動画 第34期版に差し替え
>これからのビジネス戦略
======
ビジネス戦略編
【改訂】デジタルとフィジカル p.9
【改訂】イノベーションとインベンションの違い p.10
【新規】DXを支えるテクノロジー p.18
【改訂】DXはどんな世界を目指すのか p.19
【新規】「モノのサービス化」の構造 p.46
【改訂】ビジネス価値の比較
【新規】ビジネス価値のシフト p.48
【新規】自動車/移動ビジネスの3つの戦略 p.49
【新規】ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用 p.137
【新規】ナレッジワーカーの本質は創造的な仕事と主体性 p.138
【新規】コンテクスト文化から考えるリモートワーク p.139
【新規】リモートワーク成功の3要件 p.140

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【改訂】IoTの定義とビジネス p.15

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】ニューラル・ネットワークの仕組み p.68

クラウド・コンピューティング編
【改訂】クラウドに吸収されるITビジネス p.106
【新規】クラウド・ネイティブへのシフトが加速する p.107

開発と運用編
【改訂】開発の自動化とは p.94
【新規】ノー・コード/ロー・コード/プロ・コード p.95
【新規】ローコード開発ツール p.96
【新規】ローコード開発ツール p.97
【新規】ローコード開発ツールの 基本的な構造 p.98

下記につきましては、変更はありません。
 ITの歴史と最新のトレンド編
 テクノロジー・トピックス編
 ITインフラとプラットフォーム編
 サービス&アプリケーション・基本編

Comment(0)