オルタナティブ・ブログ > ITソリューション塾 >

最新ITトレンドとビジネス戦略をわかりやすくお伝えします!

人脈とキャリア・アップと「計画された偶発性理論」

»

「どうすれば、人脈を拡げることができるのでしょうか?」

新入社員研修で、こんな質問をもらった。

「たくさんの人に知られるようになることです。」

まずは、そう答えた。ただ、これでは、あまりにも、人を食った回答である。すこし、補足をしておこう。

そもそも、「人脈がある」とはどういうことかというと、「たくさんの人に知られる存在になる」ことだ。「たくさんの人を知っている」ことは、人脈とは言えない。例えば、知っていることが人脈であるのなら、私はドナルド・トランプや習近平と人脈があることになる。

これは極端な話しかも知れないが、例えば、「あの人なら知っているよ」と言ってくださる人がいる。「あの人なら紹介できるよ」と言う人もいる。ではということで、紹介をして頂き会ってみると、「声を掛けられて、誰だろうと思いました。よくよく考えて見ると、昔あったことがあるなぁ」程度や、「そういえば、一時上司だったかも知れない」といったこともあった。紹介してくれた人には申し訳ないが、その人の存在感はなく、これといった記憶がなかったというという経験もあった。このような人脈が、自分の人生にどれほどの影響を与えるのかと考えると、なんともさみしい気がする。

「たくさんの人に知られる存在」とは、「あのことなら〇〇さんだよね」と思い出してもらえる存在になることだ。そのためには、積極的に発信し、コミュニティや社会に、知られることだ。例え、私がその相手を知らなくても、必要とあれば、声を掛けてくれる。必要があるとは、それが仕事であったり、なんらかの活動であったり、自分の収入が増えたり、価値を高める機会となる場合が多い。そんな人脈こそが、人生を豊かにする。

発信をすると言っても、講演をするとか本を書くとか、そんな大仰なことばかりではない。ブログを書く、勉強会を主催する、お客様に提案書を書くなど、世のため、人のためを想い、自分が経験したことや学んだことを外に出す、あるいは、そのための機会を作ることが、発信である。ボランティア活動や勉強会に参加することで、考え方や価値観を仲間たちと共有することも、発信の1つのカタチだろう。

「あの人は、自分にとって役に立つ」と他の人が感じてくれるような活動をすることと言い換えることができるかも知れない。そうすれば、自ずと自分のまわりに人のつながりが生まれ、自分の人生に影響を与えてくれる人脈が築かれる。

そんな人脈を拡げたければ、1つの原則を知っておくと良いだろう。それは、「たくさんの人脈を持っている人同士は、すぐにつながる」ということだ。まあ、当然のことだ。発信すれば、それを受けとめた人が、自分に役に立つ、あるいは関心があるとすれば、当然その人は何らかのコンタクトをとるだろう。人脈がある人は、発信力があるから、そのつながりが爆発的に拡がってゆく。そうやって、どんどんと人脈が拡がってゆく。

スクリーンショット 2020-07-02 6.19.31.png

ところで、「計画された偶発性理論」をご存知だろうか。スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱したキャリア理論だ。

  • 個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される
  • 偶発的なことを計画的に導くことでキャリアアップにつながる

たとえば、仕事を選ぶとき、あるいは、自分のキャリア・アップのきっかけを見つけたとき、人との出会いが決め手となった人も多いのではないか。「計画された偶発性理論」とは、そんな個人のキャリアは予期せぬ出来事の積み重ねで作られるという考え方だ。

いまのような変化のスピードが速い時代にあっては、数年先の未来なんて誰にも予測できない。コロナ禍は、まさにそんな現実を、身をもって知る機会となった。ならば、予測できない未来についてしっかりと計画を立てようと考えるのではなく、人のつながりやそこから生まれる機会を積極的に手に入れるために行動し、自らのキャリアを伸ばしてゆこうという考え方でもある。

予期しない出来事を座して待つのでなく、偶発的なことが起こる機会を作るために積極的に行動し、世の中やまわりの出来事にアンテナを張ってそれをきっかけにつなげたりと、偶然を意図的・計画的にステップアップの機会へと変えていくことが、自分のキャリア・アップにつながるというのが、この理論の中心となっている。

つまり、人脈を築くとは、そういう自分のキャリアをステップ・アップするための「偶然を呼び寄せる活動」と言ってもいいだろう。人脈をこのように考えてみてはどうだろう。

コロナ禍でオンラインでの勉強会やコミュニティ活動が活発となり、時間的な余裕も生まれ、参加もしやすくなった。なによりも、そんな活動を主宰したり、主催者側で手伝ったりをオンラインで簡単にできるようになった。人脈を築く機会が向こうからやって来た。

世のため人のために取り組んでみてはどうか。それは、人脈を創り、やがては自分のキャリア・アップの機会につながるだろう。

新入社員のための最新ITトレンド1日研修(参加費 1万円)

NE_Class.png

いまのITの常識を整理して、わかりやすく解説し、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと企画しました。お客様の話していることが分かる、社内の議論についてゆける、仕事が楽しくなる。そんな自信を手にして下さい。

オンライン(zoom)でも、ご参加頂けます。

下記日程のいずれか1日間(どちらも同じ内容です)

【第1回】2020年8月3日(月)
【第2回】2020年9月2日(水)

1万円(税込11,000円)

新入社員以外で参加されたい場合は、3万8千円(税込 41,800円)でご参加いただけます。

「コレ1枚」シリーズの最新版 第2版から全面改訂

新しく、分かりやすく、かっこよく作り直しました

デジタル・トランスフォーメーション、ディープラーニング、モノのサービス化、MaaS、ブロックチェーン、量子コンピュータ、サーバーレス/FaaS、アジャイル開発とDevOps、マイクロサービス、コンテナなどなど 最新のキーワードをコレ1枚で解説

144ページのパワーポイントをロイヤリティフリーで差し上げます

デジタルってなぁに、何が変わるの、どうすればいいの?そんな問いにも簡潔な説明でお答えしています。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【7月度のコンテンツを更新しました】
======
新規プレゼンテーション・パッケージを充実させました!
・新入社員研修のための2つのパッケージについて改訂と新規追加
・そのまま使えるDXに関連した2つの講義パッケージを追加 
・ITソリューション塾・第34期(現在開催中)のプレゼンテーションと講義動画を改訂
======
新入社員研修
【改訂】新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス・7月版
【新規】ソリューション営業活動プロセスと実践ノウハウ
講義・研修パッケージ
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの本質〜Withコロナ時代のデジタル戦略(63ページ)*講義時間:2時間程度
>DXの本質や「共創」戦略について解説します。
【新規】デジタル・トランスフォーメーション時代の最新ITトレンドと「共創」戦略(241ページ)*講義時間:6時間程度
>DXの本質と「共創」戦略を解説するとともに、それを支えるテクノロジーであるクラウド、AI、IoT、アジャイル開発、人材の育成などについて、広範に解説します。
======
【改訂】総集編 2020年7月版・最新の資料を反映(2部構成)。
【改訂】ITソリューション塾・プレゼンテーションと講義動画 第34期版に差し替え
>AI / 人工知能
>注目すべきテクノロジー(量子コンピュータとブロックチェーン)
>これからの開発と運用
======
ビジネス戦略編
【新規】Withコロナ時代のITビジネス環境の変化(〜3年) p.6
【新規】ビジネスを成功に導く重要な3つの要件 p.7
【新規】職場 リモートワークの5段階 p.8
【新規】個人 自己完結能力の5段階 p.9
【新規】職場と個人のギャップ p.10
【改訂】デジタル化:デジタイゼーションとデジタライゼーション p.15
【新規】PDCAサイクルとOODAループ p.56
【新規】価値基準の転換が求められる時代 p.57
【新規】DXと企業文化とアーキテクチャ p.58

下記につきましては、変更はありません。
 ITの歴史と最新のトレンド編
 テクノロジー・トピックス編
 ITインフラとプラットフォーム編
 サービス&アプリケーション・基本編
 開発と運用編
 クラウド・コンピューティング編
 サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
 サービス&アプリケーション・先進技術編/AI

Comment(0)