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オンライン講義で受講者を満足させるための3つの原則

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毎月10回程度の講義や講演を行ってきたが、コロナ騒ぎで予定がことごとく中止や延期になってしまい、しばらくは静かな日々を過ごしていた。しかし、ここに来て、一気にオンラインでの予定が入り始め、かつての忙しさを取り戻しつつある。昨日も、ある研修会社の方と、そんな話をしたのだが、「みんなリモートやオンラインに馴れてきたからでしょうね」といった話になり、事実、彼らもまたオンラインでの研修の依頼が一気に増え始めているということだった。

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以前からオンラインでの打ち合わせは多用していた。オンラインでの講義は、2年ほど前から私の主宰するITソリューション塾でzoomを使い、会場で参加できない場合のバックアップとしてライブと録画の配信を行ってきた。そんなこともあって、今回のことでたいした苦労はなかったが、それでも、全ての講義や講演がオンラインとなり、改めて「よりよいやり方」を求めて、試行錯誤している。

今日は、そんな経験の一端を紹介しようと思う。ただ、私の場合は、機材や設備に、さほどこっているわけでないので、そちらは、その筋の達人にお任せするとして、講義の演出方法や内容について、経験から学んだノウハウをご紹介しようと思う。

音質が一番大切

画質がキレイであることに越したことはないが、何よりも優先すべきは、音質である。機材や設備には凝っていないと言ったが、マイクにだけはこだわっている。

いろいろと試行錯誤した結果、いまメインに使っているのは、AKG Lyra Y3のコンデンサーマイクだ。17,000円ほどの金額であるが、音質はピカイチであり、安定している。

当初は、Webカメラ内蔵のマイクを使っていたが、椅子に座ってやっている限りでは、たいして問題はないのだが、立って動き回ると、音質が安定しないという問題があった。そこで、今巷で評判のAnker PowerConfを購入して使ってみた。コンパクトで持ち運びに便利であり、音質も優れている。私の動きに追従して音も拾ってくれる。Bluetooth&バッテリー駆動なので、持ち運んで外部の会場やスタジオから配信するときは、こちらを使っている。

ただ、音質にもっとこだわりたいとの思いから、AKG Lyra Y3を購入したが、やはりこちらは一枚上手だ。ただ、大きいので持ち運びには不便なので、自宅オフィスで使っている。

画像がいまひとつであっても、音声がクリアに聞こえれば、受講者のストレスは少ない。そのためにも、マイクにはこだわるべきであろう。

声の起伏を誇張する

もともと大声で振りも大きい講義をしていたので、いまさらなのだが、リアルな会場での講義よりも、声の抑揚は意識して強調している。

「音質が一番大切」で書いたこととも関係するが、リアルな講義であれば、臨場性すなわち受講者の五感すべてに訴えかけることで、講義を盛り上げることができるが、オンライン講義では、五感を駆使することができず、音声に大きく依存する。

例えば、リアルであれば、身振りや手振りを駆使し、会場の様子や反応に合わせて、ダイナミックに声のトーンや話し方を変えることなどで、会場全体の共感を引き出す事ができる。しかし、オンラインでは、相手の様子も見えないし、言わば観客のいないひとり芝居をしているようなものであり、しかも情報源は、音声に大きく依存しているので、音声に頼った演出を試みなければならない。そうなると、話しの緩急や強弱を普段よりも意識して強調し、声で受講者に臨場感を持たせなくてはならない。

情報を伝達するだけなら本やWebで事足りるが、講義は、講師の芸の技の妙を楽しむパフォーマンス、すなわち演芸であることが価値である。その演芸にお金を払っていただくのだから、共感して頂き、その場で楽しんで頂かなくてはならない。それを音声だけでやろうというわけだから、自ずと声での演出は重要であり、ライブ感を伝えるために誇張気味にしなければならないというわけだ。

読ませるドキュメント

オンライン講義では、五感を駆使することができない。それを補う手段として、「声の起伏」を使うわけだが、もうひとつ重要な手段が、プレゼンテーションのドキュメントだ。

タイトルに「読ませる」と書いたが、これは何も文字がぎっしり詰まったプレゼンを作ると言うことではない。むしろ、文字は控えめにしつつも、伝えようとしている内容の関係や構造を図形要素の組合せやレイアウトを駆使して、一瞬にして伝わるプレゼンに仕立てることだ。また、随所に要点を整理した「まとめ」を入れておくことで、講義で伝えたいことを確認することも有効だろう。

ドキュメントが美しいことに越したことはないが、大切なことは、論理構造が混乱することなく、簡潔明瞭に、瞬時に相手に伝わる表現を極めることだ。

受講者にとって、講義に満足感を感じる要件として大きいのは、「分かりやすかった」や、「頭の中が整理できた」である。それをドキュメントで支援することで、音声での情報伝達を補うことで、受講者の満足感を高めることができる。

「伝えた」という自分の満足ではなく、「伝わった」という相手の満足を極める

オンラインであっても、オフラインであっても、講義をする上で、貫くべき基本原則だ。そのことを常に意識しながら、試行錯誤を繰り返してゆくことを怠らないようにしたいものである。

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