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新入社員のための「営業活動プロセス研修」で何を伝えるかを考えている

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毎年、新入社員のための「営業活動プロセス研修」を行っている。元々の教材は、10年ほど前に作ったもので、それをアップデートしながら使ってきたが、今年は、これを全面改定することにした。

そもそも、「営業活動プロセス」とは何かだが、案件を発掘し、これを受注し、それを納品あるいは完成させて、代金回収までの一連の作業手順と言ったところだろう。

もちろん案件の発掘、つまりデマンド・ジェネレーション(Demand Generation)は、本来はマーケティングの役割だ。彼らが発掘した案件受け取り、これを確実に受注に結びつける役割が、営業の役割であり、営業活動の主要な部分となる。また、請求や代金の改修は、経理部門の役割であり、営業が直接手を下すわけではない。

しかし、プロダクトベンダーやサービス・プロバイダーと違い、SI事業者の場合は、アカウント営業、つまり特定のお客様を担当し、そこからの売上に責任を持つやり方が多い。そのやり方の善し悪しは別として、任されたお客様の案件の発掘から代金の回収までも含め、営業が全ての責任、あるいは、管理監督の役割を担っているのが現状だ。

そこで、本研修では、そんなSI事業者のアカウント営業が案件の発掘から受注まで、さらには、デリバリーを成功に導き、お客様からの信頼を獲得し、次の案件獲得のきっかけをつかむまでの一連のプロセスを解説する内容としている。

スクリーンショット 2020-05-26 7.30.46.png

まだ製作途中ではあるが、完成した講義資料は、いつもの「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」に全て公開するので、よろしければご活用頂きたい。

さて、詳細なプロセスはともかくとして、営業活動プロセスを確実にすすめてゆくための重要な要件は、「情報(intelligence)」、「戦略(strategy)」、「運用(operation)」である。

「情報」は、徹底した収集と頻繁なアップデートを心がけなくてはならない。「戦略」は、お客様の事業の成功や貢献をゴールに据えた物語を描くことだ。「運用」は、競合やお客様に勝るスピードと俊敏さにより営業プロセスのイニシアティブのキープし続けることにある。

この3つの要件を高速に回しながら、案件獲得、つまり受注に至るプロセスを整理したのが、「営業活動プロセス」ということになる。

あらためて研修教材を作り直しながら思うのは、「スピードと俊敏さ」の重要性が、以前にも増して大切になっているということだ。社会情勢やテクノロジーは、かつてないスピードで変化し進歩している。「なんとかしなければ!」と誰もが感じてはいるが、これからどうなるのか、何が正解なのか、どうすればいいのかが分からない不安を多くの人が抱えている。

長期を先読みができない状況だからこそ、情報、戦略、運用を高速にアップデートして、その時々の最適を導き、判断し、実行してゆかなければならない。

これは、営業活動にも言えることで、手段である製品やサービスを何としてでも買ってもらうことではなく、お客様の「あるべき姿」つまり、成し遂げたい業績改善の目標をお客様に提言し、これに向かって、状況を見極めながら最適な手段をダイナミックに選択、提示し、「あるべき姿」を実現するプロセスをプロデュースすることが、営業の役割として期待されることになるのだろう。

営業の人格は数字である。数字を上げられない営業は"営業としての"人格は低い。営業というのは、そういう仕事であろう。しかし、だからといって、数字にしがみつけば、数字は遠のいてゆく。売ることしか頭のない営業はお客様からは嫌われる。ではどうすればいいのか。結局行き着くところは、"プロとしての"人格を高めることしかない。ありきたりだが、次のようなことができる人間になることだ。

  • 常に新しい情報を持っていて、お客様に合わせた分かりやすい説明ができる。
  • テクノロジーや業界についての展望を持ち、お客様の「あるべき姿」をいつも考えて、それを提言できる。
  • 直ぐに行動し、直ぐにフィードバックし、直ぐに次の状態へと移行する。その圧倒的なスピードを持ってお客様や社内をリードできる。

そういう営業をお客様は信頼し、最初に相談してくれるようになるだろう。そうすれば、売り込みなんて必要ない。お客様に相談しお願いするのではなく、お客様から相談されお願いされるようになればいい。そうすれば、自ずと数字は積み上がってゆく。

では、どうすればいいのか。それをできるだけ具体的に、分かりやすく説明することが、新入社員のための「営業活動プロセス研修」である。

まだ、営業経験のない彼らに、どう伝えるかは難しいところだが、営業という職業の高度なプロフェッショナリティを伝え、それに向かうことの大切さを伝えられればと、考えている。

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>これからの開発と運用
・総集編を2部構成にして、そのまま講義/講演用のパッケージとして使えるように編集し直しました。
プレゼンテーション・パッケージ ======
【改訂】デジタル・トランスフォーメーション 基本の「き」
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【改訂】総集編 2020年5月版・最新の資料を反映しました(2部構成)。
【改訂】ITソリューション塾・プレゼンテーションと講義動画
>これからのビジネス戦略
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【新規】ビジネス発展のサイクル p.11
【改訂】デジタル・トランスフォーメーション 2つの解釈 p.19
【新規】デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションp.20
【新規】ビジネスに大きな影響を与える3つの要因と対処方法 p.21
【改訂】DXを支えるテクノロジー・トライアングル p.41
【新規】自動車ビジネスの直面する課題 p.44
【新規】ビジネス価値の比較 p.45
【新規】コロナ・ショックで「デジタル・シフト」が加速 p.49
【新規】WithコロナのSI戦略 p.50
【新規】ITに関わる価値の重心がシフトする p.83

ITインフラとプラットフォーム編
【新規】ソフトウエア化されたインフラ p.63
【改訂】5Gの3つの特徴 p.263
【新規】5Gへのネットワークの集約 p.271

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
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【新規】デバイス側のAIチップ(エッジAIチップ)の必要性 p.85

サービス&アプリケーション・基本編
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開発と運用編
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【改訂】VeriSM p.17

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