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地形は見えているか?いまこそ、それを見るべき時だ!

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何十年かに一度という大雨が降ると、あの悠々と流れていた川が氾濫し、堤防を越えて、あるいは堤防を崩して、低い土地に流れ込んでくる。そんなことは、土木や地質の専門家ではなくても、その土地の地形を見れば、容易に想像がつくことだ。想像なんかしなくても、ハザードマップを見れば一目瞭然だ。

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しかし、それでもその土地に家を建てる人たちがいる。先祖から受け継いだ土地だから、あるいは、安かったから、便利だからといった理由からだ。そして、こう言い聞かせて自分の判断を正当化する。

「そんな大雨なんて、まずこない。堤防も整備されているから大丈夫。」

ITのトレンドについても同じことが言える。テクノロジーがいまどのような方向に流れようとしているかを読み解くことは難しくない。例えば、クラウド・ネイティブ、コンテナ、ゼロ・トラスト、アジャイル、DevOpsなどのトレンドは、何もここ最近のことではなく、何年も前から地形となり、その地形に沿ってプロダクトやサービスが流れ、目に見える形で大きな川となっている。リモートワークや SaaSの利用も、そんな流れの1つだ。

コロナ・パンデミックは、そんな既に刻み込まれたトレンドの地形に一気に降り注いだ何十年かに一度の大雨なのだ。

地形とは、物事の本質である。例えば、出社ができなくなったことで、「会社に行くこと」がなくなり、通勤やオフィスといった目に見えるカタチは、なくなってしまった。その結果、自分の仕事の本質が晒され、自分の能力や自分の役割、あるいは存在意義を問われている人たちは、少なからずいるだろう。

オンライン会議然りである。たぶん、移動して集まって、面と向かっての打ち合わせにくらべ、半分あるいは2/3の時間で終わるようになったと感じている人も多いだろう。それは、本当に必要な議論に集中できるようになったことが理由ではないだろうか。また、身振り手振り、表情も含めて五感を総動員して伝えていた打ち合わせができなくなり、言葉という"一"感だけで、伝えなくてはならなくなり、言葉を選び、的確に表現とすることで、伝えるべきメッセージの本質を極めようとしているからだ。普段の打ち合わせよりもオンラインでの打ち合わせのほうが、疲れると感じるのは、そんな理由があるのかも知れない。

ビジネスのデジタル化、あるいは、デジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉が叫ばれるようになって久しいが、それがまともにできている企業が少ないことも、この度のコロナ・パンデミックで露わになった。

本来、デジタル化やDXが目指しているのは、デジタルを使うことではなく変革することだ。例えば、オフィスや自宅、出張先といった場所にかかわらず、必要な情報を直ちに入手し、ビジネス・プロセスを回し、コミュニケーションができ、その人の仕事をつつがなく確実こなせる働き方ができる企業文化や風土を作ることだ。しかし、現実には、VPNがつながらない、ネットワークの帯域が不足して仕事が捗らない、クラウドが使えないので全て社内にアクセスしなくてはならない、紙の書類を見なければ仕事の進捗が把握できない、ハンコを押さなくては、決済できないなどが、あちらこちらから聞こえてくる。

ITへの投資を怠っているわけではない。テクノロジーの地形を見ることなく、低地に家を建てた結果なのだ。本質とは、こうやって露わになる。

もちろん、好き好んでこうしているわけではないと、言い訳も言いたいだろう。しかし、先祖からの土地だからここに家を建てたといっても、堤防の下の低い土地であることに変わりはなく、洪水になれば浸水することは、分かっている話だ。

ならば、盛り土して土台を高くするのか、高台に他に引っ越すのか、あるいは、まったく違う発想、たとえば、洪水になれば浮き上がる建物を作るなどをしなければ、洪水の被害から免れることはできない。

コロナ・パンデミックが何かを変えるのではない。既に存在している大きな流れ、あるいはものごとの本質が、顕在化したとのだ。

トレンドとは歴史である。未来を予見する時流である。そのことを知らずして、ビジネスを続けてゆくことは難しい。

もうひとつ忘れてはいけないことがある。地形は時代とともに変わると言うことだ。このたびのコロナ・パンデミックのような洪水や大地震で、きっと地形も変わってしまう。だからこそ、変化の本質を見極める必要がある。そして、それもまた、トレンドから学ぶことができる。

いま、コロナで、世間がいろいろなことを言っているが、あやしい話しも多い。またそれを拡散して、大変なことになると大騒ぎしている人も多い。彼らに悪気をない。ただ、思慮が浅いだけだ。そしてまた、そういうひとたちの後追いをして、大変だとまた大騒ぎしている人たちもいる。そして、自分の闇を深め、自らをそこに引き込んでしまったり、自暴自棄になって、暴言を吐いたり、自分勝手な振る舞いをして、自分の心の平衡を保とうとしている人たちもいる。

地形を読もう、本質を見極めろ、そうすれば、自ずと何をすべきかの筋道は見えてくる。そして、他人の後追いではなく、自分の答えを見つけることだ。

私たちは、いま、否が応でも本質に向きあわされている。やがて、洪水が引いて、記憶から薄れてしまうだろう。その前に、しっかりと地形を読み解くことだ。いまこそ、本質を問い、学び、考えてゆく機会としてはどうだろう。

参考:

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この塾では、実践ノウハウについても学んで頂くために、現場の実践者である下記の特別講師をお招きしています。

  • アジャイル開発とDevOpsの実践
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実施要領

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  • 会場  東京・市ヶ谷、およびオンライン(ライブと録画)
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ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

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【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは何か p.29
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【新規】「両利きの経営」とDX戦略(1) P.82
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