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SIビジネスを変革する3つのステップ 2/2

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デジタル・トランスフォーメーションが避けられない未来であるとすれば、それに対応することが、SIビジネスのめざすべき方向だ。昨日のブログの問題提起を踏まえ、そんなお客様のデジタル・トランスフォーメーションの実現を支援するためには、どうすればいいのかを3つのステージに分けて整理する。

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ステージ1:お客様の情報システムの徹底した効率化

最初のステージは、お客様の情報システムの徹底した効率化だ。自社で所有する情報システムや人手に依存した運用管理をクラウドに移行し、自動化の範囲を拡大することだ。そして、既存システムのコストや管理負担を極限にまで減らすことで、次のステージへ移るための余力とリソースを確保する。

ステージ2:新しいSI手法の習熟

次のステージは、新しいSI手法の習熟だ。お客様が内製化を目指すのなら、アプリケーション・ロジックの構築に専念し、徹底したコスト・パフォーマンスを追求するだろう。ビジネスの成果に供するビジネス・サービスのみを短期間に、しかもバグフリーで提供できなくてはならない。そのために必要となるのがアジャイル開発やDevOpsだ。

何ヶ月もかけて要件をとりまとめ仕様を固めて凍結し、数ヶ月かけてシステムを完成させるなどというやり方では、ビジネスのスピードに追従できない。コンテナやマイクロサービス、サーバーレス/FaaSといったキーワードに対応できる能力が必要だ。そのようなスキルを支えにお客様の内製化への取り組みを支援することが、新たなビジネスの機会を生みだす。

ステージ3:共創と内製化

最後のステージは、お客様のビジネスの創造に貢献することだ。リスクもメリットも共有した対等な立場で、ITを前提とした新しいビジネス・モデルやプロセスを一緒になって実現する「共創」を自らの役割とすることだ。

「何をして欲しいかを教えてくれれば、その通り作ります」という立場ではなく、「どうすればいいのかを一緒になって考え、試行錯誤を繰り返しながらビジネスの成功を共に手にしましょう」というイーブン・パートナーとして、お客様の内製化に寄与することだ。

デジタル・トランスフォーメーションの実現には、ITの未来に精通し、デザイン思考やリーン・スタートアップ、アジャイル開発やDevOpsの能力を提供し、その実行を助けてくれるパートナーが必要だ。力仕事の労働力を提供できることではなく、お客様の内製化の実現を支えてくれるスペシャリティを提供できることが、ビジネスの源泉となる。その能力を持つことが目指すべきステージだ。

まずはステージ1に踏み出すことだ。そして、できるだけ早くステージ2への取り組みをはじめることだろう。両者は、お互いに補完し、前提となる関係にあるから、これを別々にすすめることは、必ずしも効率のいいやり方ではない。

また、これまでの工数や物販を前提とした業績評価の仕組みを変えることも必要だ。それは、一時的な売上の減少を覚悟しなければならないかもしれない。しかし、長期的には利益率は上がり売上も戻って、高い利益率を維持できる体質へと変わってゆくだろう。その覚悟もまた必要となる。

いまの事業の枠組みの中での変革を試み、お客様の求める変化に追従しようという「自社事業の観点/インサイドアウト(Inside-Out)」からの発想では、もはや時代の変化を乗り切ることは難しい。それとは逆の「お客様や社会の変化の観点/アウトサイドイン(Outside-In)」つまり、お客様のデジタル・トランスフォーメーションの実現のために何をすべきかを模索し、そのために自らを変革してゆくことが、成功のための道理だ。

改めて自分たちの置かれている状況について、徹底した議論をしてはどうだろう。そして、冷静になり客観的に未来への筋道を描いてみてはどうか。

いまの延長線上で未来を描くことではなく、未来からいまを逆引きし、そこに至るシナリオを描くこと。未来に至る道筋がはっきりと見えてくるだろう。

そうやって耳を澄まし、目をこらせば、時代は怒濤の唸りを上る激流となっていることに気付くはずだ。のんびりと構えていることが、どれほど現実離れしているかに、驚くに違いない。

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ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【2月度のコンテンツを更新しました】
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・DX関連のプレゼンテーションを大幅に拡充
・セキュリティと5Gについても新たなプレゼンテーションを追加
・講演資料「デジタル・トランスフォーメーションの本質とプラットフォーム戦略」を追加
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総集編
【改訂】総集編 2019年2月版・最新の資料を反映しました。
パッケージ編
講演資料「デジタル・トランスフォーメーションの本質とプラットフォーム戦略」
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ビジネス戦略編
【新規】デジタル化:デジタイゼーションとデジタライゼーション p.4
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションとCPS p.18
【新規】デジタルトランスフォーメーション 2つの解釈 p.19
【新規】DXとPurpose p.20
【新規】DXの基本構造 p.30
【新規】DX実践のステージ p.35
【新規】デジタイゼーションとデジタライゼーションとDXの関係 p.36
【新規】オープン・イノベーション事例:MONET Technologies p.52
【新規】オープン・イノベーション事例:TOYOTA WOVEN CITY p.53
【改訂】改善・最適化戦略/変革戦略とDX p.72
【新規】エコシステム(生態系)とは何か p.84
【新規】プラットフォーム・ビジネスを成功させる3つの要件 p.85
【新規】共創とプラットフォーム p.86
【新規】プラットフォームの事例:エーザイ・認知症エコシステム p.87
【新規】プラットフォームの事例:エムスリー株式会社 p.88
【新規】DXとは(まとめ)p.87
【新規】共創ビジネスの実践 p.185
【新規】内製化の事例:クレディセゾンのサービス「お月玉」 p.186
【新規】内製化の事例:株式会社フジテレビジョン p.187
【新規】共創の事例:トラスコ中山 MROストッカー p.188
【新規】「営業力」は「大好き力」 p.249
【新規】営業目標達成を支える2つの要件 p.250
【新規】「活動生活」の3部類 p.251

ITインフラとプラットフォーム編
【新規】シングル・サインオン(SSO)・システム 1/2 p.111
【新規】シングル・サインオン(SSO)・システム 2/2 p.112
【新規】Microsoftのセキュリティ・プラットフォーム p.119
【新規】移動体通信システムの歴史 p.255
【新規】5Gのビジネスの適用領域 p.256
【新規】5Gの普及段階 p.261
【新規】5GによるIT/SIビジネスへの影響 p.267

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】スマート・スピーカー p.53
【新規】新しい学習方法 p.106

クラウド・コンピューティング編
【新規】オンプレとパブリック・クラウドの関係の推移 p.106

テクノロジー・トピックス編
【新規】ニューロモーフィック・コンピュータ p.62

下記につきましては、変更はありません。
 開発と運用編
 サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
 サービス&アプリケーション・基本編
 ITの歴史と最新のトレンド編

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