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営業は売り込みもお願いも必要ない 1/2

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「社長からIoTでプロジェクトを立ち上げるように指示されたのですが、何から手をつけていいのか、ほとほと困っています。」

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こんな相談を持ちかけられたら、あなたはどう応えるだろう。彼らは何をしていいのか分からないままに、まずはIoTについてのネットの記事や書籍を探り、研修に参加し講演を聞き、「調査」と称する時間を費やしているかも知れない。

デジタル推進室やデジタル・ビジネス開発室などの組織を作り、その取り組みを加速しようとしている企業もある。覚悟を社内外に示すというのは、意味のあることだが、早々に成果をあげることが期待され、「何をどうすればいいんだ?」と、こちらもまた調査と検討に時間を費やしているところも少なくないようだ。

このような状況に陥っている人たちに共通しているのは、事業課題を明らかにすることなくテクノロジーを使うことが目的となってしまっていることだ。テクノロジーがもたらす社会やビジネスへのインパクト、これに対処するための課題の明確化、さらには時代に即した新しいビジネスの創出などを検討し、これからの事業のあるべき姿を描くべきであるが、そのような議論に至ることなく、既存の業務に当てはめて、その範囲で使えるところを探すことに終始していることも多い。

一歩進めて、既存の業務で使えそうなところを見つけて使ってはみたものの、特定の工程には効果はあったが、全体から見れば、現状とたいして変わらないという結論に達し、「使ってみた」という成果だけが残ることもある。これでは、事業の成果に結びつくことはない。では、どのように取り組めばいいのだろう。

まずは、お客様と何を解決したいのか、何を実現したいのかをしっかり議論することだ。例えば、この課題が解決できれば、競合他社に対して圧倒的な優位に立てる。あるいは、この工程をなくすことができれば、原価を3割削減できる。そうすれば、利益を大幅に改善し、市場のシェアも1割は伸びるだろう。「なんとしてもそうしたい」、あるいは「そうしなければならない」を現場の意志として明確にすることだ。これを実現することが顧客価値である。

IoTで何かできないのか?」をそのまま実行してはいけない。「IoTで何かできないのか?」という問いかけを、いま抱える事業課題の解決や将来起こりうる事態への対処、新たな競争優位の創出と結びつけ、それを解決あるいは実現する手段のひとつとしてIoTを捉えることからはじめることだろう。つまり、「IoTで何かできないのか?」を次のように読み替えてみることだ。

  • 事業の存続や成長にとっていま何が課題なのか、これから何が課題になるのか
  • この課題を解消するためにすべきことは何か
  • 有効な手段は何か、IoTはその有効な手段になり得るか

例えば、人材の不足、競争の激化、変化の速さといった直面する課題を解決しようとしたとき、過去の経験や方法論にとらわれず、「いまできるベストなやり方は何か」を追求した結果、「IoT」が最適解であるとすれば、それがIoTで取り組むテーマとなる。しかし、他の手段が有効であるとすれば、なにもむりやりIoTで取り組む必要はない。

IoTかどうかはどうでもいい。大切なことは、事業の成果に結びつくかどうかであり、IoTを使うことではない。そこが入れ替わってしまうと不幸な結末を招くことになる。営業はこのような議論をリードできなくてはならない。

では、次のような「セキュリティ対策」についてはどうだろう。

*明日に続く

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