残念な話 成功したいといいながら行動しない人たち
何が成功かは、ひとそれぞれでしょう。お金持ちになること、名声を博すこと、家族仲良く暮らせること、自分のアイデアが製品やサービスになること、社長になること、などなど数え上げたらキリがありません。
ただ、それら成功の多くが、偶然によってもたらせることは意外なことかも知れません。
成功した人のキャリア形成のきっかけは80%が「偶然」
中長期的なゴールを設定して頑張るのはむしろ危険であり、いい「偶然」を引き寄せる努力が大切だということを調査研究からあきらかにしたのは、米スタンフォード大学 J.D.クランボルツ教授でした。「計画された偶発性理論/Planned Happenstance Theory」と呼ばれるキャリア形成理論では、ただ受身に「偶然」を待つのではなく、計画的に、そして積極的に「偶然」を生みだすことが成功者に共通する特徴であるとし、次の5つが成功へ導く要件であると述べています。
- 好奇心:自分の専門分野だけではなく、いろいろな分野に視野を広げ、関心を持つことでキャリアの機会が増える。
- 粘り強さ:最初はうまくいかなくても粘り強く続けることで、偶然の出来事、出会いが起こり、新たな展開の可能性が増える。
- 柔軟性:状況は常に変化する。一度決めたことでも状況に応じて柔軟に対応することでチャンスを掴むことができる。
- 楽観性:意に沿わない移動や逆境なども、自分が成長する機会かも知れないとポジティブに捉えることでキャリアを拡げることができる。
- リスティング:未知なことへのチャレンジには、失敗やうまくいかないことが当たり前。積極的にリスクをとることでチャンスを得られる。
このような要件を満たすには、多くの人と出会うこと、つまり、人と出会う機会を積極的に作ることは、大切なことではないかと思っています。
「偶然」である以上、それは確率の問題であり、1回でうまくいく場合もあれば、100回でもうまくいかないことはあるでしょう。ならば、成功したければ、偶然の実数を積極的に増やすしか、方法はありません。そのためには、社内社外を問わず、いろいろな人たちと出会う努力が大切なのだろうと思います。
出会った人の考え方や価値観であったり、その人が持っている人的ネットワークであったり、社会的な地位や役割であったり、自分にはないものがあること、つまり自分とは異なる社会的文脈と交わることで起こる様々な化学反応が、「偶然」を引き寄せる原動力になるのです。これは、私自身が実感していることでもあります。
会社の同僚やお客様としか話をしない、呑みに行かない、会社と自宅の往復しか社会的接点がないというのでは、人のつながりを通じて「偶然」を引き寄せる機会を放棄しているようなものです。
勉強会やコミュニティに参加する、初めての人たちと呑みに行く、人前で話す機会を作るなどの努力が必要なのだろうと思います。大切なのは「努力」なのです。自分の苦手あればあるほどに努力が必要なのです。
「成功したい」と言いながらも、こういう努力を怠っている人がいることはとても残念なことです。
人の生き方は、それぞれですから、こんな生き方は嫌だというのは仕方がないことです。しかし、もし「成功したい」と思うのであれば、こういうことにもチャレンジしてみるのは、悪いことではないように思います。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
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