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残念なお話 DXは難しい

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テクノロジーが発達し常識がどんどんアップデートされているにも関わらず、働き方の常識が、まるで追いついていないのは、なんとも残念なことです。

先日、あるシステム子会社の方からDXについて講演をして欲しいと依頼があり、打ち合わせに伺いました。まず驚いたのは、先方の同席者が3人いたのですが、ノートパソコンを持参した方は1名だけ、しかも、机の下からLANケーブルを引きずり出して差し込んで使っていました。いまどきLANポートがあるPCは珍しいわけですが、当然そのPCも相当古い機種で、Windows7で動いていました。そして、その上でVDIを使って自分のデスクトップにアクセスをしていました。

「皆さん、PCを持参されないのですか?」

そんな質問をすると、オフィスから持ち出しをするには許可がいること、また、仮に持ち出してもLANケーブルが少なく使えないことも多い上、VDIの応答も遅く使い勝手が悪いので手書きにしていますとのことでした。

そんな彼らがいま困っているのは、最近、親会社からデジタル・トランスフォーメーション(DX)に取り組みたいので、何をすればいいのか提案して欲しいと言われたことだそうです。そもそもDXが何かも分からないし、何をすればいいのかも分からず、そのあたりの話しを聞かせて欲しいというのが、ご相談のきっかけでした。

そこで、DXの解説に普段使っているプレゼンテーションをご覧いただきながら、こんな話しでいいでしょうかと説明しました。残念ながら大型ディスプレイもプロジェクターもなかったので、私の13インチMac Book Proの画面を見せながらの説明でした。そして、最後に次のリストを見せました。

DX.png

「どうでしょうか、まずは身近なところから取り組みを始めては?」

一瞬、重苦しい空気になりました。

結局、この話しはなくなりました。このようなケースはこの会社だけのことではありませんので、ああ、やっぱりそうなったかというところです。

会社によっては、これを機会に「あるべき姿」の話しを聞いて、自分たちの改革のきっかけにしようというところもあれば、現状を直ぐには変えられない、あるいは変えたくないので、「改めて、別の機会に」とお言葉を頂く会社もあります。

DXとはデジタル・テクノロジーを駆使した企業文化の変革です。ならば、自分たちもまた企業文化を変えることに取り組み、そのノウハウを、模範を通して提供することが、DXをビジネスに仕立てる現実的なアプローチではないかと思っています。ただ、誰もがそう思っているようではないようですね。これは仕方のないことだと思いますが、なんとも残念なことです。

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