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【図解】コレ1枚でわかる仮想化

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仮想化の意味

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日本語の「仮想」という言葉を聞くと、「虚像の」、「実態のない」という意味を思い浮かべてしいます。ところが、この言葉の元となった英語の「Virtual」は、そのような意味ではありません。正しくは、「本物ではないが、本物と同じ」という意味があります。また、ラテン語の語源を見ると「力のある〜」と記されています。

辞書を引くと英語の文例には、次のような記述があります。

It was a virtual promise.
 (約束ではないが)実際には約束も同然だった。

He was the virtual leader of the movement.
 彼はその運動の事実上の指導者だった。

He was formally a general, but he was a virtual king of this country.
 彼は公式には「将軍」ではあったが、彼はこの国の実質的国王だった。

このように見ていくと、私たちがITの用語として使っている「仮想化=Virtualization」は、次のような意味と理解するのが、自然かも知れません。

「物理的実態とは異なるが本物と同じ機能を実現する仕組み」

仮想化は決して、「虚像で実態のないシステムを作り出す仕組み」ではないということになります。

つまり、サーバーやストレージ、ネットワークの物理的な構成や機能、性能とは異なる形態をしているが、実質的には、本物と同様の役割を果たす仕組みを実現する技術と考えるのが現実に即しているといえるでしょう。

私たちは、目に見える物理的な実態がそこになければ、その存在を認めにくいものですが、考えてみれば、物理的実態にかかわらず、必要な機器構成や機能、性能と同等のものが、実質的に使えるのならば十分なわけです。

「仮想化」とは、まさに物理的なシステム資源とは異なりますが、「実質的」には、物理的なシステム資源である本物と同じ扱いができるものを実現し、ユーザーに提供する仕組みであると言うことができるでしょう。

仮想化の3タイプ

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「物理的実態とは異なるが本物と同じ機能を実現する」ソフトウエア技術である「仮想化」には、次の3つのタイプがあります。

■パーティショニング(分割)

ひとつのシステム資源を複数の独立した個別の資源として機能させます。例えば1台のサーバーを、10台の個別・独立した本物と同じサーバーが存在しているかのように機能させる場合などです。

この方法を使えば、1ユーザーだけでは能力に余裕のある物理サーバー上に、見かけ上複数のサーバーを稼働させ、複数のユーザーが、それぞれを自分専用のサーバーとして扱うことができます。また、システム資源を余らせることなく有効活用することもできます。

■アグリゲーション(集約)

複数のシステム資源をひとつのシステム資源のように機能させます。例えば、複数の異なる物理的なストレージを1台の本物と同じストレージに見せかける場合などです。この機能を使わなければ、ユーザーは、複数の別々のストレージの存在を意識し、煩雑な操作や設定を行わなければなりません。しかし、この機能により、物理的な構成や個別の設定を気にすることなく、またメーカーや機種を意識することなく、1つのストレージとして扱えるので、使用上の利便性は大いに高まります。

■エミュレーション(模倣)

あるシステム資源を異なるシステム資源として機能させます。例えば、PC上で、スマートフォンの基本ソフトウェアが稼働し、本物と同じスマートフォンが稼働しているように画面を表示させ、その機能を使うことができます。加えて、スマートフォンにはない、大きな画面とキーボードで操作ができるようになり、アプリケーション開発やテストの利便性を高めることができます。

ユーザーにとっては、物理的な実態はどうであろうと、必要な機能や操作が本物と同じであればいいわけです。このようなことをソフトウェアで実現しようという技術の総称が「仮想化」です。

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